半導体製造装置世界大手の東京エレクトロン(8035)の躍進が止まらない。2026年6月22日時点の時価総額は34兆円を超え、日本株の中でも屈指の大型銘柄としての存在感を一段と強めている。生成AI(人工知能)の急速な普及に伴うデータセンター向け半導体需要の拡大が、同社の業績を力強く押し上げている。
業績を支える「AI半導体の心臓部」
東京エレクトロンの強みは、半導体製造プロセスの重要工程である成膜・エッチング装置において世界トップクラスのシェアを誇る点にある。近年の「AI半導体」は、複雑な演算をこなすために高度な微細化と積層化が求められており、同社の製造技術なしには次世代チップの量産は不可能と言っても過言ではない。
直近の業績も堅調そのものだ。第4四半期決算では、1株当たり利益(EPS)が市場予想を20%以上上回るなど、高い収益性を改めて証明した。通期純利益は過去最高の5,744億円に達し、潤沢なキャッシュフローを背景に、経営陣は750万株・1,500億円を上限とする自社株買いの枠を設定するなど、株主還元にも積極的な姿勢を崩していない。
市場が注目する「10万円」への期待
株式市場では、同社株を「AIインフラの必須銘柄」として位置づける動きが広がっている。6月に入ってからだけでも株価は40%を超える上昇を見せる局面があり、一部の投資家の間では、株式分割前の水準として「10万円」の大台到達を期待する声が強まっている。
米国の金利動向や地政学リスクといったマクロ環境の不透明感は存在するものの、AI投資という巨大な構造変化の波は、同社にとって追い風が吹き続ける「スーパーサイクル」であるとの見方が市場の大勢を占める。
試される「持続的な成長力」とガバナンス
成長を続ける一方で、市場の監視の目は一段と厳しくなっている。6月23日に開催される定時株主総会に向け、一部の議決権行使助言会社から役員報酬制度等に関する議論が上程されるなど、ガバナンスのあり方を巡る対話も進んでいる。
同社は「世界で選ばれる技術パートナー」としての地位を盤石にするため、次世代製造装置の開発に注力するだけでなく、グローバルな経営体制の強化を急ぐ。AIという未踏の領域で、製造装置の未来を切り拓く同社の舵取りは、日本の製造業が世界市場で勝つための試金石となっている。
※本記事は2026年6月22日時点の公開情報を基に作成しています。株式投資は価格変動リスクを伴います。実際の売買にあたっては、最新の市場環境や決算資料を確認の上、ご自身の判断で行ってください。
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