半導体マスク欠陥検査装置で世界シェアを独占するレーザーテック(6920)が、再び成長軌道に乗っている。2026年6月は、株価が一時5万円台の大台に乗せるなど市場の注目を一身に集めた。生成AI(人工知能)の急速な普及に伴う最先端半導体の増産が、同社のEUV(極端紫外線)露光装置向け検査装置に対する強烈な追い風となっている。
受注回復と製品戦略の転換
同社の業績回復を裏付けるのは、受注高の力強い伸びだ。2026年6月期第3四半期、会社側は通期の受注高予想を従来の「1,700億~2,200億円」から「2,000億~2,400億円」へと上方修正した。半導体メーカー各社が、AI向け高性能CPUやGPUの生産能力増強を急いでおり、それに伴う検査装置の納入加速が明確になっている。
特に成長を牽引しているのが、新鋭機「ACTIS A200HiTシリーズ」の存在だ。従来機種と比較して大幅な検査速度の向上を実現した同シリーズは、ウエハーファブでの採用拡大が期待されており、次世代EUVマスク製造を支える主力機種として、今後の収益の柱に育ちつつある。
収益構造の進化:サービス事業の拡大
ハードウェアの販売だけでなく、安定的な収益源となる「サービス事業」の拡大も、同社の企業価値向上に寄与している。フォトマスク欠陥検査装置の累積設置台数が増加したことで、メンテナンスや保守需要が膨らんでいる。将来的にサービス売上高比率を20%以上に引き上げる計画を掲げており、これまで市況変動の影響を受けやすかった「検収型」のビジネスモデルから、より安定した収益基盤への転換を図っている。
2026年後半へ向けた視座
6月26日時点の株価は、一時5万円の大台に乗せるなど、年初からの大幅な調整を経て力強いリバウンドを見せている。市場では、2027年6月期以降のさらなる受注増を見越す声も強く、証券アナリストの間では目標株価の引き上げも相次いだ。
もっとも、半導体投資サイクルは依然として足元でボラティリティが高い。今後はAIインフラの需要が継続するかどうか、また検収タイミングによる一時的な業績の変動をどう消化していくかが、中長期的な株価形成の試金石となる。
圧倒的な技術優位性を武器に、世界の半導体ロードマップを「検査」の側面から支えるレーザーテック。AI時代という新たな荒波の中で、同社が描く次世代検査技術の広がりは、デジタル社会の不可欠なピースとしてより一層の輝きを放ち始めている。
※本記事は2026年6月26日時点の公開情報を基に作成しています。株式投資は高い価格変動リスクを伴います。実際の売買にあたっては、最新の市場環境や決算資料を確認の上、ご自身の判断で行ってください。
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