国内での大規模な買収劇や次世代金融インフラへの参入を矢継ぎ早に進めるSBIホールディングスが、デジタル資産戦略における大きな布石を打った。同社は、シンガポールの有力仮想通貨プラットフォーム「コインハコ(Coinhako)」を運営する親会社ホールドビルド社の過半数株式を取得し、正式に連結子会社化したことを発表した。
当局の承認を経て実現した戦略的買収
今回の連結子会社化は、シンガポール金融管理局(MAS)による必要な承認をクリアしたうえで、シンガポール現地の子会社を通じて実行された。コインハコの事業会社であるハコ・テクノロジーは、MASから主要決済機関(MPI)ライセンスを保持していることで知られ、同国における高い信頼性とコンプライアンス体制を誇る。
今年2月に買収に向けた基本合意の意向が示されて以来、水面下で調整が進められてきた本件について、取引額の詳細こそ非公表とされているものの、SBI側にとっては東南アジア市場における強力な規制準拠の拠点を手に入れた形となる。
国内外で加速する「北尾流」のデジタル資産攻勢
SBIグループを率いる北尾吉孝氏の下、同社はボーダレスなデジタル資産経済圏の構築に向けた動きを急加速させている。
国内では、総額約470億円規模を投じたビットバンクの買収計画をはじめ、機関投資家向け取引所「EDXマーケッツ」のシリーズC資金調達の主導など、圧倒的な規模拡大路線を突き進んでいる。さらに、日本初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」の展開や、オンド・ファイナンスとの提携による日本株のトークン化、ブロックチェーン基盤を活用した次世代金融サービスの構築など、実需を見据えたエコシステムの形成に余念がない。
日本と東南アジアを結ぶ「デジタル資産コリドー」へ
今回のコインハコの傘下入りにより、同社が培ってきた豊富な顧客基盤や地域ネットワークと、SBIが持つ総合金融サービスやテクノロジーが直結することになる。
今夏にはシンガポールで初の海外支店長会議の開催を予定するなど、同国をグローバル戦略の最重要拠点と位置づけるSBI。日本国内の巨大な流動性と東南アジアの成長力をシームレスにつなぎ、国境や通貨の壁を意識させない次世代のグローバル・フィナンシャル・コリドー(回廊)構築に向け、その野心的な歩みは止まらない。
【免責事項】記事に掲載されている情報は、情報提供を目的としたものであり、投資助言を構成するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任と判断において行ってください。EIICHI JOURNALは、本記事の内容に起因して生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。暗号資産(仮想通貨)への投資には、価格変動(ボラティリティ)、流動性、市場環境、規制変更、手数料の変動など、さまざまなリスクが伴います。また、世界経済や金融市場の動向により、資産価値が大きく変動する可能性があります。なお、本記事には招待コードやアフィリエイトリンクが含まれる場合がありますが、これらは読者の利便性を目的として掲載されるものであり、EIICHI JOURNALが収益を得ることを目的としたものではありません。


コメント