米国の個人向けオンライン証券大手ロビンフッド・マーケッツ(NASDAQ: HOOD)が7月末に発表した2026年第2四半期(4〜6月期)の連結決算は、主力の株式やオプション取引に加え、イベント契約やサブスクリプション事業が大きく伸び、市場の予想を上回る歴史的な好業績となった。
本稿執筆時点(2026年8月上旬)における同社の時価総額は約780億ドル規模(日本円換算で約12兆円前後)で推移しており、総合金融プラットフォームとしての存在感を急激に高めている。
1. 2026年第2四半期決算の主なハイライト
発表された四半期実績は、収益の柱が多角化していることを鮮明に証明する内容となった。
- 総純売上高:13億1,000万ドル(前年同期比32%増)── 過去最高を記録
- 純利益:5億7,300万ドル(同48%増)
- 希薄化後1株当たり利益(EPS):0.62ドル(同48%増)
- 純預かり資産(Net Deposits):過去最高の22億ドル(約220億ドル規模)を叩き出し、プラットフォーム全体の資産残高は3,690億ドルに到達。
かつての「ミーム株ブームに依存したトレーディングアプリ」という枠組みを完全に脱却し、有料会員サービス「ロビンフッド・ゴールド(Robinhood Gold)」の会員数が過去最高の480万人を突破するなど、安定した収益基盤(リカーリングレベニュー)の構築に成功している。現在、同社内で「年間売上高1億ドル以上」を稼ぎ出す事業ラインは13にまで拡大している。
2. セグメント別の動向と新たな成長ドライバー
取引関連収益(Transaction-based revenues)は前年同期比44%増の7億7,600万ドルを記録。特に以下のような新興・拡大家域が全体の伸びを強く牽引した。
- イベント契約(Event Contracts):前年同期の10倍以上に急増する1億5,600万ドルを記録し、新たな収益柱として急成長。
- オプションおよび株式取引:オプション取引収益が29%増の3億4,200万ドル、株式取引が95%増の1,290万ドルと大幅な伸びを示した。一方で、暗号資産取引収益は前年同期比38%減の1,000万ドルにとどまった。
- ゴールドおよび新サービス:有料会員費の増加に加え、「ロビンフッド・プラチナカード」の展開や、子供向け資産形成を支援する「トランプ・アカウント(Trump Accounts)」などの新規プロダクトが次々とヒットを飛ばしている。
3. グローバル展開とDeFi、そして新たな上場に向けた動き
ロビンフッドは足元で、単なる米国向けの証券アプリから「グローバルな次世代金融インフラ」への脱皮を加速させている。
- 「ロビンフッド・チェーン」とDeFi・エージェント取引への参入:ロンドンでの発表を皮切りに、独自のレイヤー1チェーン(Robinhood Chain)のメインネット始動、株式トークンの展開、AIを活用したエージェント的取引、および一連のDeFi(分散型金融)プロダクトの総合的な提供を発表し、Web3領域への本格的な布石を打っている。
- ベンチャーファンド(RVII)のIPOロードショー:直近では「ロビンフッド・ベンチャー・ファンドII(RVII)」の米SECへの登録手続きを進め、8月3日から公式なIPOロードショーを開始するなど、投資商品ラインナップの拡充にも余念がない。
総括
過去最高の売上高と強固な財務基盤を証明し、時価総額約780億ドル規模へと躍進したロビンフッド。従来の枠を超えた「イベント契約」の爆発的ヒットや、グローバルでの暗号資産・DeFi、次世代型カード戦略のシナジーにより、同社の成長モメンタムは下半期以降も市場の最大の注目を集め続けることになりそうだ。


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