中国不動産市場、開発投資が一段と失速 販売の低迷も長期化へ

中国不動産

中国国家統計局が発表した2025年11月の不動産関連統計から、同国不動産セクターの深刻な苦境が改めて浮き彫りになった。投資活動の減速が鮮明となる一方、販売面でも底打ちの兆しは見えず、市場の冷え込みが長期化している。

不動産販売、低迷が続く

不動産販売床面積をみると、前年同月比(ニッセイ基礎研究所試算値)は17.3%減と、依然として大幅なマイナス圏にある。前月の18.8%減と比較してマイナス幅は縮小したものの、市場の本格的な回復にはほど遠い水準だ。前月比で見ると0.8%増となり、前月の3.6%減からはプラスに転じた。

主要70都市の住宅販売価格(単純平均)は、前年同月比で2.8%の下落となった。前月の2.6%下落から下げ幅が拡大している。1線から3線までの各都市で下落傾向が強まっており、消費者の購買意欲は低迷したままだ。一方、前月比では0.4%の下落となり、前月の0.5%下落から下げ幅はわずかに縮小した。2線都市や3線都市での下げ止まりの動きが寄与した格好だ。

開発投資は一段と失速

不動産開発投資の落ち込みは一段と厳しさを増している。不動産開発投資額の前年同月比(ニッセイ基礎研究所試算値)は30.3%減となり、前月の23%減からマイナス幅が大きく拡大した。前月比でも12.4%減と、前月の3.2%減から一段と悪化した。

開発企業の資金繰り環境も極めて厳しい。不動産開発投資資金の前年同月比(ニッセイ基礎研究所試算値)は32.5%減となった。前月の21.9%減から悪化しており、開発意欲を大きく削ぐ要因となっている。こうした状況を反映し、不動産開発景気指数は91.9に低下した。前月の92.42から水準を切り下げており、開発環境への不透明感が市場全体を覆っている。

在庫と着工の現状

不動産完成在庫床面積は7.5億平方メートルに達した。前年同月比では前月から小幅な低下が見られたが、依然として高水準な在庫が市場の重荷となっている。先行指標である住宅着工床面積(3カ月後方移動平均)の前年同月比はマイナス幅が拡大した。完成在庫の処理と新規着工の抑制が進むなか、住宅竣工床面積の前年同月比もマイナス幅が小幅に拡大した。

これらのデータは、不動産市場の調整局面が長期化する可能性を示唆している。三浦祐介氏(ニッセイ基礎研究所経済研究部主任研究員)の分析によれば、開発投資の急減と販売の不振が相互に作用し、市場の正常化に向けたハードルは極めて高いといわざるを得ない状況だ。中国当局による今後の支援策や市場対策の動向が、今後の焦点となる。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

岡本晟楽はEIICHI JOURNALの編集長、代表。仮想通貨の価格分析からPR記事まで幅広い作成経験を持つ。元コインテレグラフジャパンの編集者。野村総合研究所。兵庫県神戸市出身、台湾・カナダなどの環境で学生時代を過ごす。世界的なメディアでの経験から仮想通貨に限らず政治、経済などの記事についても執筆をする。

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