ラピダス、英伊の研究機関と提携し国際連携を加速――累計4,200億円超の資金確保で2027年の量産へ邁進

次世代半導体の国内量産を目指すラピダス(Rapidus)は、2026年6月に入り、国際的な協力体制の構築と大規模な資金調達の両面で重要なマイルストーンを達成しました。2027年の2ナノメートル(nm)ロベルの量産開始に向け、プロジェクトは着実に歩みを進めています。

1. 英・伊の研究機関と研究開発提携を締結

ラピダスは6月15日、英国の公的機関である「英国半導体センター(UKSC)」と研究開発の協力に向けた覚書(MoU)を締結したと発表しました。この提携は、高市早苗首相の訪英に合わせて正式化されたもので、半導体設計に強みを持つUKSCとの連携により、製造技術のさらなる向上と顧客開拓を目指します。

また、イタリアの公的機関「Fondazione Chips-IT」とも同様の提携を交わす見通しであり、欧州の主要国との連携を強化することで、国際的なサプライチェーンにおける地位の確立を急いでいます。ラピダスの小池淳義社長は「欧州と手を携え、これまでにない新たな技術を切り開く第一歩にしたい」と意欲を語りました。

2. 政府から追加で1,500億円の資金注入

6月5日には、情報処理推進機構(IPA)を通じて日本政府から1,500億円の追加出資を受けたことも発表されました。これにより、ラピダスの累計調達額(資本金・資本剰余金)は4,249億5,000万円に達しました。

今回注入された資金は、北海道千歳市で進められている量産工場の設備投資や、1.4nm世代を見据えた次世代半導体の研究開発に充てられます。政府は、2027年度までに累計で約2.9兆円規模の支援を予定しており、経済安全保障の要として官民一体で量産化を後押しする構えです。

3. 量産化に向けた現在の立ち位置

ラピダスは現在、2027年の2nm半導体量産開始に向け、パイロットラインの構築と並行して、米企業を中心とした60社以上の潜在顧客との商談を進めています。今回の欧州提携は、将来的な販売チャネルの開拓という側面もあり、北米だけでなくグローバルな顧客基盤の構築にも注力しています。

最先端半導体の製造能力は、AIや自動運転、次世代通信といった分野の競争力を左右する「国家の基盤」です。急速に国際連携を広げ、資金を確保するラピダスの動きは、日本の半導体産業復活に向けた決定的なフェーズに入ったことを示しています。

この動画では、ラピダスの小池社長が高市首相と面会し、英国やイタリアの公的機関との研究開発協力に向けた覚書締結の準備状況を直接報告した様子が伝えられています。

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この記事を書いた人

岡本晟楽はEIICHI JOURNALの編集長、代表。仮想通貨の価格分析からPR記事まで幅広い作成経験を持つ。元コインテレグラフジャパンの編集者。野村総合研究所。兵庫県神戸市出身、台湾・カナダなどの環境で学生時代を過ごす。世界的なメディアでの経験から仮想通貨に限らず政治、経済などの記事についても執筆をする。

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