暗号資産市場で時価総額2位のイーサリアム(ETH)が、方向感の定まらない展開を強いられている。2026年6月中旬以降、1,700ドル前後の水準で推移しており、年初来のパフォーマンスではビットコイン(BTC)を下回るアンダーパフォームが顕著だ。AI関連銘柄やテクノロジー株に投資資金が集中する中、イーサリアムはマクロ経済の不透明感と、エコシステム固有の課題に直面している。
ETF市場の揺り戻しと冷え込む投資心理
米国で上場するイーサリアム現物上場投資信託(ETF)では、資金流出入が激しく変動している。6月に入ってからも、主要なETFから断続的な純流出が記録されており、機関投資家の警戒感が根強い。
市場関係者の間では、「機関投資家は現在、ボラティリティの高いイーサリアムよりも、より安全資産としての性格を強めるビットコイン、あるいはAI需要に直接結びついたテクノロジー株を優先している」との見方が優勢だ。ETH/BTCレート(ビットコイン建ての価格)も約0.027と、約10カ月ぶりの低水準に沈んでいる。
エコシステムの「資金難」とガバナンス論争
イーサリアムを巡る懸念材料として、開発資金の枯渇問題が浮上している。かつて開発者への報酬を支えていた「Client Incentive Program(CIP)」が4月に期限切れを迎え、後継プログラムの策定が遅れているためだ。
こうした中、6月22日にはイーサリアム・リサーチのフォーラムにおいて、バリデーター(検証者)の報酬の最大10%を開発資金などの公共財に充てる「Validator Redirected Revenue」という新提案が浮上した。提案者は「エコシステムが共有するインフラや研究には安定した資金源が必要」と訴えるが、一部のコミュニティからは「強制的な拠出による中央集権化」への反発も強く、ガバナンスを巡る論争が過熱している。
3四半期連続のマイナス記録という懸念
価格面では、非常に厳しい記録に直面している。イーサリアムは2025年第4四半期に約28%下落し、2026年第1四半期も約29%下げた。現在進行中の第2四半期も直近までに約18%の下落となっており、このまま月を終えれば、歴史上初めて「3四半期連続のマイナス」を記録することになる。
今後の展望
イーサリアムが再び強気相場へ回帰するには、延期されている次期アップデート「Glamsterdam」の具体的な実装日程の提示と、ガバナンスを巡るコミュニティ内の合意形成が鍵となる。また、ETFへの資金流入が定着するかも重要だ。市場は現在、単なる期待感ではなく、AIインフラとしての明確な優位性を証明することを求めている。当面は1,500ドルから1,700ドル近辺で地固めを試す展開が予想されるが、下値を切り下げた際の押し目買い意欲も根強く、神経質な相場が続きそうだ。
※本記事は2026年6月22日時点の公開情報を基に作成しています。暗号資産投資には価格変動リスクが伴います。売買にあたっては最新の市場動向を注視し、自己責任で行ってください。
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