日立製作所(東京都)は、同社が提供するメインフレーム向けOS「VOS3(Virtual-storage Operating System 3)」の販売および保守を終了し、メインフレーム事業から完全に撤退することを発表した。これにより、1960年代から日本の社会インフラを支え続けてきた日立のメインフレーム事業は、約60年の歴史に幕を下ろすことになる。
事業終了のスケジュール
発表によると、今後のスケジュールは以下の通りである。
- OS販売終了: 2027年11月
- 保守終了: 2034年12月
- 事業終焉: 2035年に実質的なメインフレーム事業が終了する。
市場縮小が決定打に
日立は2017年にメインフレームのハードウエア開発からすでに撤退しており、以後は日本IBMからハードウエアの提供を受ける形で事業を継続していた。しかし、電子情報技術産業協会(JEITA)のデータが示す通り、メインフレーム市場は長年にわたって縮小の一途をたどっている。
1994年度には国内総出荷台数が3519台、出荷金額が1兆1456億円に達していたが、2022年度にはそれぞれ141台、265億円にまで落ち込んだ。これはピーク時の出荷台数で約4.0%、金額で約2.3%という水準であり、市場の構造的な変化が明らかとなっていた。
日本のIT史における転換点
日立のメインフレーム事業は、1950年代の初期計算機開発を源流とする。1964年には、旧国鉄の座席予約システム「MARS 101」の中央処理装置として「HITAC 3030」が採用されるなど、日本の金融、製造、公共分野における基幹システムの要として発展を遂げてきた。
今回の決定は、同じくメインフレームからの撤退方針を表明している富士通の動きと併せて、日本のIT産業における大きな転換点と見られる。なお、富士通は2030年末に製造・販売を終了し、2035年度末で保守を終える予定である。今後、同社製メインフレームを利用する多くの企業にとって、システムの移行が急務となる。
今後も日本IBMとNECは、メインフレームの製造を継続する方針である。


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