8日の週明け、東京株式市場では日経平均株価の急落が避けられない情勢となっています。米国で発表された5月雇用統計が予想以上の過熱を示したことを受け、投資家心理が急速に悪化しています。
先物は4%超の下落、米国株の失速が直撃
日経225先物(6月限)は、6日早朝の大阪取引所での終値が6万3,820円となり、前日夕方の終値から2,770円(約4.16%)もの急落を記録しました。この背景には、5日の米国株式市場において、S&P500種株価指数が雇用統計の強さによる利上げ警戒感から前日比2.26%安と8か月ぶりの大きな下落率を記録したことがあります。
「スピード違反」の調整局面へ
日経平均は3日に6万8,402円の最高値を付けましたが、その後は急失速しています。この背景には、株価収益率(PER)が一時25倍を超えるなど、利益成長を上回る株価上昇が続いたことによる「割高感」がありました。
- 過熱の証左: 4月以降に株価が2倍以上に急騰していた銘柄の一部、例えばイビデン(週次18.43%安)やソフトバンクグループ(同0.87%安)などは、すでに調整局面にあります。
- 割高感の解消へ: 仮に日経平均が先物水準の6万3,820円まで下落した場合、PERは現在の25倍超から約23.6倍まで低下し、これまでの「スピード違反」的な割高感は一旦解消される見通しです。
AI銘柄への期待と市場の不透明感
一方で、AIブームへの期待は依然として根強く残っています。半導体製造装置の東京エレクトロンは週次で13.41%高、キオクシアホールディングスも同18.66%高と、半導体・AI関連銘柄を中心に強い動きを見せるものもありました。
しかし、日本株全体を見渡すと、日経平均構成銘柄の過半数(57%)が下落しており、TOPIX(東証株価指数)も6週ぶりの下落を記録するなど、上昇の裾野は限定的です。
今後の懸念材料
市場には、以下の重石がのしかかっています。
- 金融引き締め懸念: 米国の雇用統計の結果を受け、FRBが年内利上げへ転じる可能性が浮上しています。
- 地政学・金利リスク: ホルムズ海峡封鎖の長期化などイラン情勢の不透明感に加え、日本銀行の利上げ姿勢を背景とした国内長期金利の上昇も、株式市場にとっては心理的な重荷となります。
週明けの日本株は、割高感が解消されるという期待と、日米の金融政策の転換点に対する警戒感が交錯する、難しい展開が予想されます。


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