SBIホールディングスは28日、インドネシア最大級のオンライン総合投資プラットフォームを運営するアジャイブ・グループへ戦略的出資を実施したと発表した。子会社を通じて株式20%を取得し、持分法適用関連会社とした。出資額は2億7000万ドル(約431億円)とされる。
300万人超の利用者を持つ「インドネシア版ロビンフッド」
アジャイブはジャカルタを拠点にオンライン証券として事業を始めた。現在は株式や債券、投資信託、ETFに加え、仮想通貨やステーブルコイン、外国為替(FX)まで扱う。低い手数料を武器にミレニアル世代とZ世代を取り込み、利用者は300万人を超える。法人向けにはステーブルコインを使った相対取引(OTC)型の決済サービスも提供している。
企業価値は約13億5000万ドル(約2156億円)と算定された。今回はアジャイブにとって単独で過去最大の出資受け入れとなる。インドネシア企業の資金調達としても、2022年以降で最大規模になる可能性がある。
狙いはJPYSCの海外流通
SBIが前面に出したのは、円建てステーブルコイン「JPYSC」の流通促進だ。JPYSCはSBI信託銀行が発行する信託型のステーブルコインで、6月にSBI VCトレードを通じてサービスを開始した。仮想通貨事業の海外展開でもアジャイブと協業する。
SBIは「SBI APACデジタル経済圏構想」を掲げ、東南アジアを軸にデジタル資産の取引所ネットワークづくりを進めてきた。北尾吉孝会長兼社長は、伝統的な金融商品とデジタル資産の双方を扱うアジャイブについて、この構想に完全に合致する存在だとした。
シンガポールに続く布石
足元ではシンガポールの仮想通貨関連企業コインハコを連結子会社にしている。今回の出資は、その延長線上でインドネシアに足場を築く一手となる。
人口2億7000万人超のインドネシアは、若年層の投資参加が急速に広がる市場だ。現地の顧客基盤とトークン化された金融インフラを取り込み、自社のデジタル資産事業とつなぐ狙いがある。円建てステーブルコインを海外で回す構想が、実際の決済需要をどこまで拾えるかが次の焦点となる。
翻訳・編集 EIICHI JOURNAL
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