米連邦準備理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長は日本時間28日午後11時、ジャクソンホール経済政策シンポジウムで講演した。5月の就任後、初めての基調講演となる。タカ派の姿勢を鮮明にしたことで9月の利上げ観測が浮上し、ビットコイン(BTC)と米国株はそろって反落した。
前日の8万ドル超から3.2%下落
BTCは講演を受け、前日の8万ドル(約1278万円)超から一時7万7100ドル(約1231万円)前後まで売られた。下落率は3.2%に達した。別の集計では7万6909ドル(約1228万円)まで下げる場面もあった。同日の高値圏からの下落率は約4%となる。
「金融環境は引き締まっていない」
ウォーシュ氏は講演で、金融環境が引き締まっているとは言えないとの認識を示した。直近の良好な指標だけを根拠に利下げを期待する市場に、くぎを刺した形だ。単月の数字ではなく、インフレの方向と速度、広がりを重視する立場を強調した。
さらに65カ月に及んだ高インフレはFRBの責任だとしたうえで、基調インフレが2%目標へ明確かつ十分な速度で低下していると確信できなければ、FRBにはまだやるべき仕事が残ると語った。利下げそのものを否定してはいないが、開始の条件が市場の想定より厳しい可能性を示した。
財務省の買い戻しには言及なし
市場が注目していたもう一つの論点は、米財務省による長期国債の買い戻しだった。財務省は8月中旬、1回あたりの上限を20億ドルから少なくとも40億ドルへ引き上げる方針を示している。長期金利の緊張が緩んだことが、8月後半のBTC上昇の起点となっていた。
ところがウォーシュ氏は、この買い戻しに具体的な言及をしなかった。FRBが国債の直接買い入れで歩調を合わせるとの期待は、ひとまず宙に浮いた格好だ。
同氏は就任以降、フォワードガイダンスを大幅に縮小し、記者会見も簡潔にしてきた。市場価格から独立した政策判断を掲げる姿勢は、相場の変動を大きくしやすい。BTCが上昇基調を保てるかは、緩和期待ではなく現物需要が高金利とドル高の圧力を上回れるかにかかる。
翻訳・編集 EIICHI JOURNAL
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