元ビットメックス(BitMEX)CEOで、現在はメイルストローム(Maelstrom)の最高投資責任者(CIO)を務めるアーサー・ヘイズ氏が、ワールドコイン(WLD)に対する強気相場を宣言した。この影響を受け、WLDトークンは30%以上急騰し、約0.53ドルと1月以来、約4カ月ぶりの高値を付けた。
著名投資家の「お墨付き」と個人投資家の熱狂
ヘイズ氏は、ソーシャルメディア「X」にて「WLD、強気相場を開始せよ」と投稿し、10ドルという野心的な目標価格を掲げた。
- 過去最低値からのリバウンド: WLDは5月中旬に付けた過去最低値の0.23ドルから80%以上回復する力強い動きを見せている。
- 個人投資家の殺到: 投資家プラットフォーム「ストックトゥイッツ(Stocktwits)」では、WLDのフォロワー数が1週間で300%急増し、メッセージ量も150%以上増加。センチメントは「極めて強気」に転じている。
- ヘイズ銘柄の連鎖: ヘイズ氏が以前に強気判断を示した「ハイパーリキッド(HYPE)」「ニアプロトコル(NEAR)」「ジーキャッシュ(ZEC)」がいずれも過去最高値を更新していることも、投資家の期待を後押ししている。
「オープンAIのIPO観測」が思惑を呼ぶ
今回の急騰には、WLDそのものの技術的な展開だけでなく、開発を主導するサム・アルトマン氏が率いる「オープンAI(OpenAI)」の新規株式公開(IPO)観測が強く結びついている。投資家の間では、アルトマン氏の影響力がかつてのイーロン・マスク氏とドージコインの関係のように、市場を動かす原動力になるとの期待も浮上している。
機関投資家との「乖離」という複雑さ
一方で、ワールドコインのエコシステムに関連する資産すべてが同様の動きを見せたわけではない。
- エイトコ・ホールディングス(ORBS)の停滞: 2億3800万枚以上のWLDを保有する最大級の機関投資家エイトコ・ホールディングスの株価は、WLDの急騰にもかかわらず3.5%の上昇に留まった。
- 投資の難しさ: この乖離は、暗号資産ネイティブのプロジェクトに上場株式を通じてエクスポージャーを得ることの複雑さを示している。エイトコの株価はトークン価格の変動だけでなく、コーポレートガバナンスや流動性など、より広範な企業要因の影響を受けるためだ。
長期的な視点と今後の展望
WLDは今回の急騰を見せたものの、依然として2024年3月の史上最高値(11.74ドル)からは95%以上下落しており、長期保有者は依然として含み損を抱えている状況だ。
ヘイズ氏の掲げる「10ドル」という目標は、現在の価格から約1700%の上昇を必要とする極めて高いハードルである。さらに、ワールドコインは複数の国で規制当局の監視下にあり、事業の長期的な不確実性も拭えない。
ビットコインが軟調な局面でも市場とデカップリング(切り離された)動きを見せるWLD。個人投資家は、ヘイズ氏の優れた実績とアルトマン氏のスター性が、WLDを再び高みへと押し上げる「カクテル」になると賭けているようだ。
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