日立製作所は6月5日、米Anthropicが開発した超高性能AIモデル「Claude Mythos Preview(以下、Claude Mythos)」のアクセス権を取得したことを発表した。この権利は、AIがもたらすサイバー脅威に対抗するための国際的な“セキュリティ防衛連合”「Project Glasswing」への参画を通じて実現したものである。
「人間を凌駕する」脅威、Claude Mythosの衝撃
Claude Mythosは、その極めて高いプログラミング能力から、最も熟練した一部の人間を除く全ての人間を上回る脆弱性発見能力を持つとAnthropic社が評価するAIモデルである。同モデルは4月時点で数千件ものソフトウェア脆弱性を発見しており、その中には27年前から放置されていたファイアウォールの基盤ソフトの欠陥や、世界中のサーバの半数以上に利用されるLinuxの中核に関わる脆弱性も含まれている。その攻撃能力の高さから、Anthropicは一般公開をしないと明言しており、安全管理のために一部組織への限定提供という厳しい制限を設けている。
AIの脅威を防ぐ「Project Glasswing」
Anthropicが主導する「Project Glasswing」は、Claude Mythosのような超高性能AIがもたらす脅威に備え、それらを防御目的で活用するための緊急プロジェクトである。Google、Apple、Microsoft、NVIDIAなど世界大手企業約200社が参加するこの連合において、日立製作所が参画を表明したことは、日本のサイバーセキュリティ対策における重要な一歩となった。
国内テック大手、それぞれの対応
Anthropicとの戦略的協業において先行していた国内大手3社の中でも、今回いち早くアクセス権の確保を発表した日立製作所の動向は業界内で大きな関心を呼んでいる。日立製作所はProject Glasswing参画により、最新鋭のAI技術をセキュリティ防衛に転用する体制を強化する。一方で、富士通は最新のAI技術へ早期にアクセスする意向を示しており、NECは現時点で回答を差し控えている。日本政府もClaude Mythosの潜在的なリスクについて議論を強めており、国家レベルの重要インフラ保護という観点からも、日立による今回のアクセス権獲得は、今後の日本のデジタル防衛戦略において重要な役割を果たすと見られている。


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