キオクシアが描くデータセンターの未来――COMPUTEX 2026でAI最適化ストレージと次世代BiCS FLASHを披露

KIOXIA

台湾・台北市で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2026」において、キオクシアはAI時代の膨大なデータ処理を支える最新のストレージソリューションを公開した。生成AIの普及によりデータ容量の増大が加速する中、同社はコンシューマーからエンタープライズに至るまで、高性能と大容量を両立させる戦略を打ち出した。

AIの回答精度を向上させる新ソリューション「KIOXIA AiSAQ」

ブースで注目を集めた技術の一つが、RAG(検索拡張生成)の課題を解決する「KIOXIA AiSAQ」である。

  • DRAMの制約を打破: RAGは質問のたびにデータベース検索を行うため、従来は高速なDRAMが不可欠だった。しかし、DRAMはコストが高く、大容量化やスケーラビリティに課題があった。
  • SSDによるデータ配置: AiSAQは、RAGのデータをDRAMではなく大容量SSDに配置可能にするソリューションを提供する。これにより、システムの大容量化やスケールアウトを容易にし、AIがより広範なデータに基づいて正確な回答を導き出すことを可能にする。
  • 新アプローチ: ビッグデータ時代に向け、DRAMとNANDフラッシュの隙間を埋める存在として、CXL(Compute Express Link)を介したXL-FLASHの活用例も提示された。

3次元フラッシュメモリー「BiCS FLASH」の進化

フラッシュメモリー技術の展示では、次世代に向けた「BiCS FLASH」の技術移行戦略が解説された。

  • 技術的課題の克服: チップの積層数が増えると性能向上が見込める一方、一定数を超えると電力効率や性能に悪影響が出るという課題があった。これに対し、キオクシアは第8世代以降、ウェハー接合技術「CBA(CMOS Directly Bonded to Array)」を導入し、この問題を解決した。
  • CBA技術の採用: メモリーセルアレイと周辺回路のウェハーを別々に製造して貼り合わせるCBA技術は、世界でも限られた企業のみが実用化している高度な手法である。さらに、ブロックサイズを縮小する「Home Pitch SGD OPS」技術の併用により、性能と電力効率を大幅に高めた。

開発ロードマップ:第9・第10世代の展開

現在、キオクシアは以下のロードマップで開発を並行して進めている。

  • 第9世代: 既存のモバイルおよびPC向けに展開。
  • 第10世代: 積層数をさらに増やし、エンタープライズおよびデータセンター向けに提供を計画。

今回の展示は、AIシステムにおけるデータ処理のボトルネックを解消するキオクシアの強固な技術基盤と、データセンター市場を見据えた明確な戦略を裏付けるものとなった。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

岡本晟楽はEIICHI JOURNALの編集長、代表。仮想通貨の価格分析からPR記事まで幅広い作成経験を持つ。元コインテレグラフジャパンの編集者。野村総合研究所。兵庫県神戸市出身、台湾・カナダなどの環境で学生時代を過ごす。世界的なメディアでの経験から仮想通貨に限らず政治、経済などの記事についても執筆をする。

コメント

コメントする

目次