米半導体大手ブロードコムの株価が、時間外取引で一時10%を超える大幅な下落を見せた。同社が発表した人工知能(AI)向け半導体の売上高見通しが市場予想に届かず、AI分野における成長スピードに対する市場の過度な期待を裏切る結果となったことが嫌気されている。
AI売上高見通しが予想を割り込む
ブロードコムが発表した決算資料によると、AI半導体事業の売上見通しは以下の通りとなった。
- 5-7月期(第3四半期)のAI半導体売上高見通し: 160億ドル。市場予想平均の172億ドルを大幅に下回った。
- 2026年10月通期のAI半導体売上高見通し: 560億ドル。こちらも市場予想平均の576億ドルを下回る見通しを示した。
ブロードコムは、グーグルやアンソロピック、メタ・プラットフォームズといった大手テック企業との長期契約を通じてAI顧客向け事業への転換を急いでいるが、投資家の期待は極めて高く、今回の見通しはそれに応えられない内容となった。なお、決算発表前の5営業日だけで、同社の時価総額は約2700億ドル増加していた。
2-4月期の決算実績
今回の見通しは低調であったが、2-4月期(第2四半期)の決算実績そのものは堅調に推移している。
- 売上高: 222億ドル(前年同期比48%増)となり、市場予想平均の221億ドルを上回った。
- 1株利益(一時項目を除く): 2.44ドルとなり、予想の2.39ドルを上回った。
- AI半導体売上高: 108億ドルを記録し、予想の107億ドルをわずかに上回った。
AI戦略と今後の展望
ブロードコムのホック・タンCEOは、データセンターなどのインフラ需要を背景に、AI関連事業を成長の柱に据える戦略を強調している。市場ではエヌビディアが圧倒的なシェアを占めているものの、ブロードコムは有力な代替供給先としての地位を確立しつつある。
また、同社はAIインフラ拡充に向けた資金調達支援でも役割を拡大しており、アンソロピックのAIインフラ構築を巡る約360億ドル規模のデットファイナンス案件において、大部分の支払い保証を提供している。
年初来で38%もの株価上昇を記録していた同社にとって、今回のガイダンス不足は、AI成長株に対する市場の厳しい視線を改めて浮き彫りにする結果となった。


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