米ビットコイン特化型企業のストラテジー(Strategy)が発表した2026年第2四半期決算は、前年同期の100億ドル規模の黒字から一転し、82億ドル(約1.3兆円)の巨額の純損失を計上する結果となった。背景には、前年同期比で40%以上下落したビットコイン価格の影響による、保有資産の未実現評価損(ペーパーロス)がほぼ直撃した形がある。
本稿執筆時点における同社の時価総額は約320億〜340億ドル(約5兆円規模)前後で推移している。
1. 決算の概要と巨額赤字の要因
前年同期(2025年Q2)に100億ドルの純利益を叩き出していた同社だが、今四半期は一転して82億ドルの赤字となった。
- 評価損の拡大:保有するビットコインの価格低迷に伴う未実現評価損が、全体の業績を圧迫した。
- 保有量の推移:第2四半期中にはビットコインの保有量を11%増やす積極的な買い増しを行い、一時はピークとなる84,600BTC(その後一部売却により直近では843,775BTCを報告)に達した。
2. 財務基盤の強化と戦略的シフト
直近数週間にわたる戦略の転換により、同社はビットコインの新規購入を一時的に停止し、米ドル現金残高の積み上げや財務の健全化に舵を切っている。
- 負債の削減:フォン・リーCEOによれば、第2四半期中に転換社債を18%削減し、67億ドル規模まで縮小させた。 Stocktwits
- 米ドルリザーブの拡大:USDリザーブを12%増の24億ドルへと拡大(CFOのアンドリュー・カング氏によれば、足元では37.5億ドル規模に達し、優先配当や利払いを約2年間カバーできる水準を確保)。
- 優先株配当の維持:優先株(STRC)の配当資金を捻出するため、年初からの累計で約2,180万ドル相当のビットコインを売却したほか、6月に開始した買戻しプログラムのもとでSTRC株の取得も進められている。
3. デジタルクレジット資本フレームワークの導入と今後の展望
同社は6月下旬に「デジタルクレジット資本フレームワーク」を正式に採択し、優先配当や利息義務をカバーするための最低ドルリザーブの構築を急ピッチで進めている。また、必要に応じて最大12.5億ドル相当のビットコイン売却を認める「BTCマネタイゼーション・プログラム」も整備された。
フォン・リーCEOは、「STRCの市場価格を99〜100ドルで安定させることが目標であり、健全で持続可能な市場を形成するために規律ある自社株買いや資本配分を行っていく」と強調している。
株価自体は発表日の時間外取引等で底堅い動きを見せているものの、暗号資産の価格変動リスクと向き合いながら、財務の安定化とリザーブ拡充を両立させる同社の新たな経営戦略に市場の視線が集中している。
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