住宅業界で進む二極化 大手は好調も中小工務店は倒産増

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中東情勢による資材難が明暗を分ける

戸建て住宅市場において、大手ハウスメーカーと中小工務店の業績格差が鮮明になっている。大手各社が受注を順調に伸ばす一方で、資金力に乏しい中小工務店の倒産や休廃業が急増した。規模の小さな事業者にとって、資材高騰の打撃は非常に大きい。

中東情勢の緊迫化に伴うナフサの供給不足が、建築資材の調達難を引き起こしたことが主な要因だ。石油化学製品の基礎原料であるナフサの不足は、住宅建築に不可欠な塩ビ管や接着剤などの製造に直結し、業界全体の供給網を揺るがしている。

経営体力で資材高を乗り切る大手企業

8月に発表されたハウスメーカー各社の決算では、売上戸数や受注棟数の増加が目立った。大和ハウス工業の4月から6月期の売上戸数は前年同期比で7%増加し、分譲住宅大手の飯田グループホールディングスも同じく7%の伸びをみせている。中東情勢による建築コスト上昇を懸念した顧客が、住宅の早期購入に動いたことが背景にあるという。

住友林業の27年1月から6月期の注文住宅受注棟数も3%増加した。資材高により通期の経常利益が70億円ほど押し下げられる見込みだが、豊富な資金力で影響を最小限にとどめている。同社の光吉敏郎氏は10日の決算説明会で「ナフサ不足の影響が懸念された塩ビ管や接着剤も調達先を拡大して確保し、引き渡しの遅れは発生しなかった」とのべた。

大手企業は調達網の広さを生かして工事の遅延を防いでいる。大和ハウス工業も中東情勢の影響が想定より軽微だったとして、27年3月期の連結純利益予想を上方修正し、最終的な減益幅の縮小を明らかにした。

資材不足と法改正が中小工務店を直撃

対照的に、中小工務店は極めて厳しい状況に追い込まれている。関東近郊の工務店では6月、屋根材や断熱材が確保できず2か所の現場で工事中断を余儀なくされた。建物を期日通りに引き渡せなければ代金を回収できず、企業の資金繰りは一気に悪化する。価格が高くても調達可能な資材へ切り替えたり、工期を再調整したりして窮地をしのぐ事業者は多い。

帝国データバンクの調査によると、1月から6月の建設業の倒産件数は前年同期比6%増の1043件に達した。法的整理を伴わない休廃業などをあわせると5937件となり、過去最多を記録している。このうち新築戸建てなどを担う木造建築工事は947件となり、全体の約16%を占めた。中堅企業のアエラホームも7月に民事再生に踏み切っており、ロゴスホールディングスが事業を引き継ぐ事態となっている。

資材調達難に加えて、新たな法規制も工務店の負担を重くする一因だ。欠陥住宅被害を防ぐ目的で、25年4月から木造2階建て以下の住宅に対する設計や申請手続きが厳格化されており、現場での業務量増加が事業者の収益を圧迫している。

縮小する国内市場を見据え多角化へ

中東情勢による一時的な要因を除いても、国内住宅市場の先行きは厳しい。国土交通省の統計によると、25年度の新設住宅着工戸数は前年度比13%減の71万1171戸となり、節目となる80万戸を大きく割り込んだ。人口減少による根強い需要減退に加え、最近の金利上昇も住宅取得のハードルを引き上げている。野村総合研究所は、40年度には着工数が61万戸まで減少すると予測をたてた。

日本市場の構造的な縮小が避けられないなか、大手企業は国内の戸建て事業に依存しない収益体制の構築を急ぐ。住友林業は今後の住宅需要拡大が見込める米国において、6500億円規模となる大規模な買収を実施した。大和ハウス工業も事業の多角化を推進し、安定した需要が見込める物流施設やデータセンターの開発分野で売上を順調に拡大させている。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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