ビットコイン(BTC)価格が3カ月ぶりに1,000万円(約63,300ドル)を割り込み、市場に緊張が走っている。この下落について、ストラテジーのマイケル・セイラー会長は、ビットコインへの信頼が揺らいだわけではなく、「AI関連投資への大規模な資本ローテーションが発生している」との見解を示した。
下落の要因:複合的な売り圧力
今回のビットコイン下落は、複数の要因が重なったことによるものと分析されている。
- ETFの連続流出: 米国のビットコイン現物ETFは5月15日から6月3日まで13営業日連続で純流出を記録し、累計流出額は約43.7億ドルに達した。
- マウントゴックスによる送金: 経営破綻したマウントゴックスが約1万306BTC(約7.3億ドル)を別ウォレットへ送金したことが報じられ、債権者への返済や売却を通じた売り圧力への警戒感が強まった。
- 企業によるBTC売却: ストラテジーが5月26〜31日の間に32BTCを売却したとの報告が市場の心理を冷やした。
- 資金の流出先: AI関連分野への投資が過去6カ月で約4,000億ドルという史上最大規模に達しており、さらにスペースXの上場観測なども投資資金を仮想通貨市場から株式市場へと向かわせる要因となっている。
専門家が見る「底値」の兆候
厳しい市況が続く一方で、市場には底値圏を指摘する強気な見方も存在する。スタンダードチャータード銀行のジェフリー・ケンドリック氏は、ビットコインは底値圏に近いとの分析を発表した。
- 買戻しの前例: セイラー氏率いるストラテジーは、過去(2022年12月)にBTC売却後に短期間で買戻しを行った経緯がある。今回も同様の買戻しが実行されれば、底値形成のシグナルになると期待されている。
- 買戻しへのハードル: 買戻しの鍵となる優先株「STRC」は現在、額面を下回る価格(95.640ドル)で取引されており、時価発行増資(ATM増資)による資金調達スキームは現在「一時停止」状態にある。ただし、投資家の間では「額面割れは通常の動作であり、深刻な異常ではない」との指摘もある。
セイラー氏は、ビットコインのボラティリティを「機会を生むもの」と捉えており、長期的な視点での強気姿勢を崩していない。市場参加者は、今後ストラテジーによる大規模な買戻しの動きが確認されるか、その動向を注視している。
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