オンチェーン分析大手のグラスノードは8日、ビットコイン(BTC)相場に関する週次リポートを公表した。同社は現在の相場が弱気市場終盤の底値形成過程にあるとの見方を示した。ただし本格的な反転を確認する材料は、まだ出そろっていない。
5カ月続く「深い割安圏」
リポートによると、BTCは2026年2月上旬以降、約5カ月にわたり主要な取得原価の水準を下回って推移している。活発な投資家の平均取得価格を示す真の市場平均は7万6600ドル(約1240万円)、短期保有者の取得原価は7万2200ドル(約1169万円)だ。
現在の価格はこのいずれも大きく下回る。同社はこの状態を「深い割安圏」と位置づけ、ビットコインの歴史でも屈指の長さだとした。
過去の局面では、この水準での継続的な買い集めが周期的な底値の土台となってきた。もっとも同社は、弱気市場レンジの下限にあたる実現価格5万3000ドル(約858万円)への下落も排除できないと警告した。
長期保有者の損失確定が最大の重石
現在の売り圧力の主因は長期保有者だ。実現価値全体に占める長期保有者の損失確定の割合は、2月上旬の15%から足元で43%まで上昇した。1日あたりの損失確定額は一時2億8000万ドル(約453億円)に達し、2022年12月以来の高水準となった。
高値圏で買い、下落局面を耐えてきた投資家が限界を迎えつつある。グラスノードは、この投げ売りが冷え込むまで本格的な回復は難しいとの認識を示した。目安として1日あたりの損失額が2500万ドル(約40億円)を下回る水準を挙げている。
ETF資金流出は減速も需要は戻らず
機関投資家の需要も鈍い。米現物ビットコインETFの30日移動平均でみた資金流入額は、5月中旬にマイナス圏へ転じた。1日あたりの純流出額は6月上旬に1億9300万ドル(約312億円)でピークを打ち、足元では8890万ドル(約144億円)まで縮小した。
流出ペースの減速は前向きな兆候だが、資金は依然として流出超だ。ETFの1日あたり売買代金は6億5000万ドル(約1053億円)から9億5000万ドル(約1539億円)にとどまる。2025年10月のピーク時にあたる44億ドル(約7128億円)から約8割減った水準だ。
デリバティブは慎重な強気
デリバティブ市場では姿勢の変化がみられる。オプションの建玉ベースのプット・コール比率は0.56まで低下し、2026年の最低水準を記録した。プット1枚に対しコールが約2枚積み上がる構図だ。無期限先物の資金調達率も中立線を下回って推移し、買い持ちの過熱感はない。
一方でオプションのスキューは、全ての限月で下値保護に厚みが残る。トレーダーは慎重に買いへ傾きつつも、下落へのヘッジ費用を払い続けている。
グラスノードは反転確認の条件として、長期保有者の投げ売りの冷え込み、機関投資家の資金流入の安定、真の市場平均の回復の3点を挙げた。「この過程は終盤に近づいている」としつつも、確認には至っていないと結論づけた。
BTCは足元で6万2000ドル(約1004万円)前後だ。2025年10月に付けた最高値12万6200ドル(約2044万円)から約5割低い水準に沈んでいる。


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