暗号資産市場が総崩れのなか、ステーブルコイン最大手テザー(Tether)だけが圧倒的な存在感を見せつけている。第2四半期の純営業利益は15億ドル(約2,360億円)を記録。世界シェアの6割超をガッチリと握る”影の巨人”は、いかにしてこの巨額の利益を生み出しているのか。
暗号資産市場全体が逆風にさらされるなか、ステーブルコイン発行大手のテザーがまたしても数十億ドル規模の好業績を叩き出した。その最大の稼ぎ頭となったのが、同社が厚く抱え込む米国債ポートフォリオから生み出される莫大な利息収入である。
公表された最新の四半期アテスト(監査証明)報告によれば、2026年第2四半期の純営業利益は15億ドル(約2,360億円)を突破。収益の原動力となったのは、保有する米国債や政府証券を担保にした短期融資「レポ取引(リパーチェス・アグリーメント)」から得られる安定的な金利収入だ。
さらに同社は、6月30日時点で41億1,000万ドル(約6,470億円)もの「準備金バッファ(超過準備)」を計上している。これは保有資産が負債を大きく上回っていることを示しており、市場の不確実性に対する強固なクッションとなっている。
縮小する市場をしり目に流通量は過去最高水準へ
ステーブルコイン市場全体が一時的な調整や縮小傾向にあるなかでも、テザーはどこ吹く風の勢いを見せる。同四半期における主力の米ドル建てステーブルコイン「USDt(USDT)」の流通量は4億4,600万ドル(約702億円)増加し、1,846億ドル(約29兆円)に到達した。
報告書によれば、これにより世界のステーブルコイン市場の6割超をテザーが依然としてガッチリと握り続けている計算になる。データプラットフォーム・ディファイラマ(DeFiLlama)の集計では、同期におけるステーブルコイン市場全体の規模は約3,070億ドル(約48兆円)とされており、そのなかで圧倒的な一強体制を維持している。
「米国債の大口保有者」としての顔
いまやテザーは、世界有数の規模で米国債を保有する「大口ホルダー」の一角を占める。この米国債こそが、同社の強固な準備金ポートフォリオの屋台骨となっている。

折からの短期金利の高止まり環境が強力な追い風となり、米財務省短期証券(Tビル)や現金同等資産からの収益が同社の業績を力強く押し上げた。暗号資産全体のボラティリティや市場の低迷とは一線を画し、手堅いマクロ金融の仕組みを味方につけたテザーのビジネスモデルは、デジタル資産エコシステムにおいて異彩を放ち続けている。


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