中国国家統計局が発表した2026年1〜5月の固定資産投資(除く農村部)は前年同期比4.1%減少した。2020年5月以来6年ぶりの大幅な落ち込みとなった。このうち不動産投資の減少率が16.2%と特に深刻で、過剰供給が続く住宅市場の回復が依然として見通せない状況を改めて浮き彫りにした。
輸出は2カ月連続2桁増 AI需要が追い風
固定資産投資が低迷する一方で、中国の輸出は好調を維持した。5月の輸出は前年同月比19.6%増と、2カ月連続で2桁の伸びを記録した。半導体の輸出は同110%増、携帯電話は44%増、情報処理機器は66%増となり、世界的なAI関連の旺盛な需要が中国の輸出を力強く押し上げた。また、中東情勢によるサプライチェーン混乱を見越した在庫積み上げ需要も輸出拡大に寄与したとみられる。
国内需要の低迷と外需への依存という構図は、中国経済の根本的な課題を示している。不動産セクターの縮小が家計の資産価値を目減りさせ、消費の抑制要因となっている。製造業の投資も前年同期比0.4%増にとどまり、過剰設備を抱えた状況での増産に企業が慎重なことがうかがえる。
インフレ圧力なし 利下げ見送りか
内需の弱さはインフレ圧力の低さにも表れており、デロイトのチーフエコノミスト、アイラ・カリッシュ氏は「中国は内需不足ゆえにインフレが起きておらず、中央銀行(人民銀行)が政策金利を動かす必要性は乏しい」との見方を示した。習近平政権は景気下支えに向けた財政・金融政策を検討しているが、不動産市場の根本的な調整が続く中で有効な手立ては限られている。輸出が今後も2桁成長を維持できるかどうかは、世界の需要動向と米国の対中関税政策の行方にかかっている。
翻訳・編集 EIICHI JOURNAL


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