5月相場の総括:2か月連続の急騰、海外勢による「高市政策」への期待
5月の日経平均株価は、月間で7044.58円(11.88%)高と、4月(8221.20円高、16.10%高)に続いて大幅な上昇を記録した。4〜5月の2か月間の累計上げ幅は1万5265.78円に達し、3月に記録した7786.55円(13.23%)安の調整局面からの鮮やかなV字回復を印象づけている。5月29日の最終取引日は前日比1636.38円(2.53%)高の6万6329.50円と急騰し、事前に意識されていた6万6000円の大台を突破して取引を終えた。
この強気相場を牽引しているのが海外投資家の動向である。東京証券取引所が発表した5月第3週(18〜22日)の売買動向によると、海外勢は8週連続で日本株を買い越した。買い越し額は4609億円と前週(5572億円)からやや縮小したものの、8週間の累計買い越し額は7.9兆円を突破。これは中東情勢の緊迫化前に記録した9週連続の累計額(5.4兆円超)を上回る規模である。2025年10月の高市政権発足以降、地政学リスクが突発した3月を除いて海外勢の買い越し基調が継続している事実は、現政権の成長政策が国内企業の業績拡大を後押しするとの期待感が、グローバルファンドの間で根強く浸透していることを示唆している。
テクニカル分析:高まる過熱警戒感と落ち着く市場心理の混在
足元の日経平均株価の日足チャートを見ると、テクニカル面での過熱シグナルが目立ち始めている。
- 移動平均線との乖離: 50日移動平均線との乖離率は13.75%まで拡大。
- オシレーター指標: RSI(相対力指数)は買われ過ぎの目安とされる「70」の水準へ到達。
- 株価格差: NT倍率(日経平均÷TOPIX)が16.76倍と過去最高水準まで拡大しており、一部の主力株に買いが偏重している構図が浮かび上がる。
一方で、市場の恐怖度を示すボラティリティ・インデックスに目を向けると、日経平均VIは「26」、米国のVIX指数は「15.3」へとそれぞれ低下傾向にある。足元の相場は「テクニカルな買われ過ぎ」を警戒しつつも、投資家の「心理的安定(リスク選好姿勢)」が維持されているという、二面性を持った地合いと言える。
米国株動向:エヌビディア依存からの脱却、AI相場の「すそ野」が拡大
この過熱感のある日本株を下支えしているのが、米国のハイテク・半導体株相場における「構造変化」だ。

参照:日経平均株価https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=TVC%3ANI225
5月の米主要株価指数のパフォーマンスを比較すると、ナスダック100が10.5%高と、ダウ平均(2.8%高)やS&P500(5.2%高)を大きくアウトパフォームした。特筆すべきは、これまで市場を牽引してきた米エヌビディア(NVDA)が5.8%高と小幅な伸びにとどまり、メタ(META)やアマゾン(AMZN)がS&P500を下回るなど、主要ハイテク株(マグニフィセント・セブン)の一角が足踏みした点である。
その一方で、ハードウェアや他の半導体銘柄への資金循環が顕著となった。
- ハードウェア・記憶装置: デル・テクノロジーズ(DELL)が101.4%高、サンディスク(SNDK)が54.6%高、シーゲート・テクノロジー(STX)が30.6%高と爆発的な上昇を記録。
- 半導体(競合・周辺): マイクロン・テクノロジー(MU)が87.8%高、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が45.6%高をマーク。
このデータは、米国のAI・半導体相場が一部の巨大銘柄への過度な依存を脱し、サプライチェーン全体へと投資のすそ野を広げている(セクターローテーションが進んでいる)ことを示している。この健全な広がりが、日経平均株価の強固な下値支持基調を形成している。
今週の焦点:米経済指標ラッシュと「5月雇用統計」への警戒
今週の株式市場は、米国の重要マクロ経済指標の結果に大きく左右される展開が予想される。インフレ懸念から年内の米利上げの可能性すら意識される現状において、以下のスケジュールが相場の分水嶺となる。
- 6月1日:5月ISM製造業景気指数
- 6月3日:5月ISM非製造業景気指数
- これらの指標で企業活動の堅調さが確認できれば、株高トレンドを後押しする。
- 6月5日:5月雇用統計(最重要焦点)
- 市場の反応シナリオ: 労働市場が「予想以上の強さ(上振れ)」を示した場合、利上げ観測が強まり米株安(ひいては日本株安)の引き金となるリスクがある(ただし、景気の底堅さを示す側面もある)。逆に「予想を下振れた」場合は、利上げ懸念は後退するものの、今度は景気減速への不安が台頭する。この結果に対する米国株のリアクションが、6月相場の方向性を決定づけることになる

株価指数CFD「日本225」チャート分析と想定レンジ
今週の株価指数CFD「日本225」の想定レンジは、6万4000円〜6万8000円を試算する。日足RSIが70の買われ過ぎ水準にあるため、上限に近づく局面では調整反落への警戒が必要だ。
【レジスタンス(上値目途)の注目水準】
- 6万8250円近辺: フィボナッチ・エクスパンション161.8%(4時間足ベース)に合致するテクニカル上の強い上値抵抗線。
- 6万8000円: 今週の上限予想。心理的節目。
- 6万7000円: 突破後の底固めを確認する節目。
- 6万6644円: 先週記録した直近高値。ここを上抜けるかどうかが最初の関門となる。
【サポート(下値支持)の注目水準】
過熱警戒感からの調整売りに押された場合は、1000円刻みの節目とフィボナッチのリトレースメント水準がサポートとして意識されやすい。
- 6万5000円: フィボナッチ23.6%戻し(6万4914円)の水準。
- 6万4000円: 今週の下限予想。フィボナッチ38.2%戻し(6万3844円)に近く、直下からは20日移動平均線が上昇してきており、強力な支持帯となる可能性が高い。
- 6万3000円: 調整が深刻化した場合の防衛ライン。半値戻し(6万2979円)に相当する。
投資に関しては上記の内容を総合的に判断して最先端テックの方向性を確認する必要がある。
投資判断について
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文章翻訳・解説 岡本晟楽


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