世界銀行、2026年の世界成長率を2.5%に下方修正 コロナ後最低水準

世界銀行は6月に公表した「世界経済見通し」で、2026年の世界経済成長率の見通しを2.5%とした。前年の2.9%から0.4ポイントの下方修正で、コロナ禍以降で最も低い水準となる。中東紛争によるエネルギー価格の高騰と、それに伴うインフレ圧力の再燃が、成長を下押しする主因として挙げられた。

新興国への打撃が深刻

地域別では、新興市場国と途上国(EMDE)への影響が特に大きい。EMDEでは1人当たり所得の伸びがコロナ禍以来の低水準に落ち込む見込みだ。エネルギー輸入依存度が高い国や、紛争に直接影響を受ける国が特に苦しい状況に置かれている。世界銀行はリスクが「下振れ方向に偏っている」と評価し、紛争の激化や商品市場の混乱長期化、貿易政策の不確実性が重なれば、さらなる減速もあり得るとした。食料安全保障や雇用創出の面でも、財政余力が乏しい途上国の苦境が深まるとの懸念が示された。

AI投資は部分的な下支えに

悪材料ばかりではない。AI関連の設備投資は世界的に力強く、中東紛争が貿易に与えるマイナスの影響を部分的に相殺している。世界銀行は「AIの幅広い普及が実現すれば、中長期的には上振れの可能性がある」との見立てを示した。楽観的なシナリオでは、2030年代の世界成長率が2000年代の平均を上回る可能性があるという。ただしその恩恵が新興国に及ぶかどうかは、技術普及に必要な環境と政策整備がカギを握るとした。エネルギー供給の回復と金融緩和の再開を前提に、2027〜28年にかけて景気は持ち直すと予測している。先進国と途上国の間で経済格差が広がるリスクを、世界銀行は強く警戒している。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL


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