ビットコイン、「買い手不在」で6万ドル台に沈む 6月の急落を分析

ビットコイン

ETF流出とAI株シフトが重なる

2026年6月、ビットコイン相場は激しく揺れた。5月下旬に7万5000ドルを超えていた価格は、6月6日に一時5万9156ドルまで急落し、週間下落率は約20%に達した。その後、6万1000ドル台に持ち直したが、回復は力強さを欠く状況が続いた。

オンチェーン分析を手がけるクリプトクアントのデータは、今回の下落の本質が「売り圧力の増加」ではなく「買い手の消失」にあることを示している。2024年から2025年にかけてビットコイン相場を下支えしてきたのは、米現物ETFへの資金流入だった。しかし2026年に入るとETFからの資金流出が続き、コインベース・プレミアムも長期にわたりマイナス圏に沈んだ。コインベース・プレミアムとは、米国取引所と海外取引所の価格差を示す指標であり、これがマイナスということは米国の機関投資家が売り越している状態を意味する。

複合要因が市場を直撃

下落を引き起こした要因は複数絡み合っている。まず、マイクロストラテジー(現ストラテジー)が数年ぶりにビットコインを売却したとの観測が6月1日に広がり、市場心理を悪化させた。これが個人・機関投資家の追随売りを誘発した。

また、米国とイランの軍事的緊張が原油価格を押し上げ、インフレ懸念が再燃したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待は後退した。一部のFRB高官が利上げの可能性を排除しないと発言したことが市場に衝撃を与えた。

さらにビットコインのETF現物から6月初旬までの10営業日連続で大規模な純流出が記録されたことも、地合い悪化に拍車をかけた。AI関連株への資金シフトが進み、リスクオンの資金がビットコインから離れた側面もある。

底打ちサインも点灯

一方で、長期チャート上では底値シグナルも現れている。2000週移動平均線への接触が今サイクルで初めて発生した。過去のサイクルでも同指標への接触後は大幅な反発が見られており、一部のアナリストは現状をサイクル的な「底固め局面」と捉える。ビットコインは直近の高値12万6080ドルから約50%下の水準にとどまっており、割安感を指摘する声もある。

6月末までに2000週移動平均線を維持できれば、7月以降の回復シナリオが現実味を帯びてくる。ビットコインは6月29日時点で約6万3700ドル(約1027万円)前後で推移している。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社日本総合政策研究所編集部では日本経済および国際問題まで幅広く記事を作成しています。仮想通貨のトレンド分析から各コインの解説そして不動産投資などマクロ経済から投資まで幅広いコンテンツを共有します。

コメント

コメントする

目次