ドナルド・トランプ米大統領は26日、欧州の国々がデジタルサービス税を導入した場合、その国から米国へ輸出するすべての商品に即座に100%の関税を課すと警告した。自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿でこの意向を示し、「関税は貿易協定に優先する」とも主張した。
最高裁判決後の「次の手」
背景にあるのは、今年2月の米最高裁判決だ。トランプ政権が発動を根拠としてきた「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づく広範な関税措置を違憲とする判断が示された。これによりトランプ氏は主要な関税手段を失い、現在は別の法的根拠に基づく一律10%の暫定関税を維持しているが、これも150日間の期限付きだ。政権はSection 301調査と呼ばれる通商法に基づく調査を複数起動しており、新たな関税発動の法的根拠を整えようとしている。
市場関係者や専門家の間では、今回の脅しを額面通りに受け取る動きは少ない。最高裁の判決で大統領の手が縛られており、100%関税を即座に実行するのは法的に困難な状況だからだ。ジェフリー・シュワブ弁護士は「議会が認めた手続きを経ない限り、大統領はいつでも自由に関税を課すことはできない」と語った。欧州側も市場も、今回の発言を外交的な交渉カードと見る向きが多い。
EUも注視 貿易協定の先行き不透明
EUは昨年、米国と関税15%の枠組みで合意しており、欧州の産業界はひとまず安堵していた。それだけに、新たな脅しはEU側に改めて警戒感をもたらしている。欧州議会の通商委員会幹部は「法的確実性が必要だ。状況が明確にならない限り、協力関係の次のステップには踏み出せない」との立場を示した。欧州議会は米EUの合意案審議を一時凍結した。
米通商代表部のジェイミーソン・グリア氏は、既存の貿易協定は引き続き有効であり、米側はパートナー国との対話を続けていると語った。トランプ氏の第1任期中に始まったEU各国のデジタルサービス税をめぐるSection 301調査は、結果として関税ではなく交渉の圧力手段として機能した経緯がある。今回も同様の構図になるとの見方が多いが、関税政策の予見可能性の欠如が貿易企業や投資家の経営判断を引き続き難しくしているのは確かだ。
翻訳・編集 EIICHI JOURNAL


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