全国で企業倒産の増加傾向が続いている。東京商工リサーチが8日に発表した2026年8月の全国企業倒産状況によると、倒産件数は830件に達した。前年同月比で3.1パーセント増加し、3カ月連続で前年同月の水準を上回った。8月単月としては2012年に記録した967件以来、実に14年ぶりの高い水準となる。
負債総額は1447億円に拡大、小規模・零細企業が倒産の中心
今回の調査によると、倒産に伴う負債総額は1447億2800万円を記録した。前年同月比で26.5パーセントの大幅増となり、負債総額が前年同月を上回るのはこれで6カ月連続だ。負債100億円を超える大型倒産が4件発生したことが、全体の総額を大きく押し上げる主な要因となった。
一方で、倒産企業の内訳を見ると負債1億円未満の小規模な倒産が635件に達している。これは全体の76.5パーセントを占める計算だ。倒産件数の中心軸は依然として中小企業や零細企業にある実態が浮き彫りとなっている。さらに従業員数で見ても、10人未満の小規模企業が全体の90.3パーセントを占めるなど厳しい状況が続く。
人手不足倒産は8月最多の32件、人件費高騰と離職が重荷
とくに深刻さを増しているのが、人材の確保難や人件費の負担を背景とした企業の行き詰まりだ。いわゆる「人手不足」関連の倒産は32件にのぼり、8月単月として過去最多を塗り替えた。前年同月の23件から9件の増加を示している。
その詳細な内訳を見ると「人件費高騰」に起因するものが18件、「従業員退職」によるものが8件となった。いずれの要因も前年同月比で件数が増加している。単なる採用難にとどまらず、既存の人材を確保するための賃上げ圧力や、主力社員の退職による業務停滞が企業経営を直接的に圧迫するケースが目立ってきた。なお「物価高」関連の倒産は50件にとどまり、9カ月ぶりに前年同月を下回る結果となった。
飲食業の倒産が急増、複数コスト上昇で秋以降の選別加速へ
業種別の動向では、飲食業などを含むサービス業が291件で全体の最多を占めた。なかでも飲食業の倒産は80件に達し、前年同月比で42.8パーセントという大幅な増加を記録している。業態別では「食堂、レストラン」が前年の9件から18件へと倍増した。さらに「酒場、ビヤホール」は前年同月の4件から16件へと4倍に急増している。
また建設業の倒産も182件を数え、前年同月比で4.0パーセント増加した。人件費や原材料費のほか、借入金利の上昇など複数のコスト負担が同時に重なり、現場の収益環境を一段と厳しくしている。東京商工リサーチは、金融機関が今後融資先の見極めや選別を一段と強める可能性があるとの見解を示している。秋以降は企業の資金調達需要が一段と増える時期を迎える。賃上げを続けつつもコスト負担を価格に十分転嫁できない企業では、経営環境のさらなる悪化が懸念される。
翻訳・編集 EIICHI JOURNAL


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