首都圏中古マンション、初の平均6000万円台 25カ月連続上昇で「中古なら安い」が崩れる

青空の住宅建設現場

目次

  • 首都圏平均が6016万円へ
  • 7エリアで最高価格を更新
  • 東京23区には変化の兆し
  • 「中古=割安」では判断できない

首都圏の中古マンション価格が、新たな節目を突破した。 アットホームが9月29日に発表した2026年8月の調査によると、1戸当たり平均登録価格は6016万円となった。調査開始後、初めて6000万円台に乗せた。 前月比と前年同月比はいずれも25カ月連続で上昇した。 新築マンションの高騰を受けて中古へ目を向ける購入者が増える一方、その中古市場でも価格上昇が長期化している。

首都圏平均6016万円、25カ月連続上昇

調査対象は、不動産情報サイト「アットホーム」に登録・公開された中古マンションである。 重複物件を除き、実際に売り出されている希望価格を集計している。成約価格ではない点には注意が必要だ。 それでも平均6016万円という水準には意味がある。 首都圏で中古マンションを探す世帯にとって、6000万円が特殊な価格帯ではなくなりつつあるためだ。 住宅ローンで考えると負担はさらに分かりやすい。 6000万円を35年間、金利1.5%で借りれば、元利均等返済の月額は概算で18万円台となる。 管理費と修繕積立金、固定資産税を加えれば、毎月の実質的な住居費は20万円を大きく超える場合がある。 中古物件では築年数が進むほど、修繕積立金が高くなるケースもある。 販売価格だけで家計負担を比較することは難しくなっている。

7エリアが2017年以降の最高値

価格上昇は東京都心だけの現象ではない。 東京都の23区と都下、神奈川県の横浜・川崎市とその他地域、さいたま市、千葉県西部とその他地域の計7エリアが、2017年1月以降の最高額を更新した。 さいたま市は前月比2.7%上昇し、初めて平均4000万円台に入った。 前年同月比では16カ月連続で全エリアが上昇している。 ここから読み取れるのは、価格上昇の「外側への広がり」である。 都心価格が上がれば、購入者は予算に合わせて周辺エリアへ移る。 東京都心から都下、横浜・川崎、埼玉、千葉へ需要が流れれば、その地域の中古住宅価格にも上昇圧力がかかる。 住宅価格の上昇が都心だけなら、郊外へ移ることで予算を調整できる。 しかし広域で同時に上昇すれば、その逃げ道は徐々に狭くなる。

東京23区では上昇速度が鈍化

一方、興味深い変化もある。 東京23区の前月比上昇率は、4カ月連続で1%未満となった。 価格そのものが下がったわけではない。 しかし上昇速度が鈍っていることは、購入者の価格許容度に限界が近づいている可能性を示す。 中古マンションでは、売主が希望価格を自由に設定できる。 強気な価格で売り出しても、購入希望者が現れなければ値下げする必要がある。 そのため今後は「掲載価格」と「成約価格」の差も重要になる。 高値で掲載される物件が増えても、その価格で実際に取引されているとは限らないからだ。 住宅ローン金利の上昇も無視できない。 物件価格が変わらなくても、借入金利が上がれば購入者の毎月返済額は増える。 価格と金利が同時に上昇すれば、購入可能額を引き下げる世帯も増える。

中古だから割安、ではなくなる

これまで新築価格が急上昇すると、中古マンションが受け皿となってきた。 しかし中古平均が6000万円を超えれば、単純に「中古なら買いやすい」とはいえなくなる。 重要になるのは物件ごとの差だ。 築年数、駅距離、管理状況、修繕計画、総戸数、階数、方角などで将来価値は大きく変わる。 同じ6000万円でも、管理状態の良い駅近物件と、大規模修繕への不安がある物件では意味が異なる。 購入後に10年住むのか、30年住むのかでも判断は変わる。 さらに中古住宅ではリフォーム費用も考えたい。 購入後に500万円の改修が必要なら、実質的な取得費は6500万円となる。 首都圏平均6016万円という数字は、中古市場が新築高騰の影響を強く受けていることを示す。 同時に、価格だけではなく「その価格に見合う住宅か」を見極める重要性も高まっている。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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