東京23区における中古マンションの価格上昇に歯止めがかからない状況が続いている。不動産情報サービスを提供するライフル(LIFULL)が8日に公表した2026年8月の最新市場レポートによると、ファミリー向け中古マンションの平均掲載価格は1億2018万円に達した。前月比で1.4パーセント上昇し、前年同月比では21.9パーセントの大幅な上昇となっている。調査期間中における過去最高値を更新する結果となった。
掲載価格と反響価格の間に約4537万円の差
今回の調査結果においてとくに注目を集めているのが、市場で売り出されている物件価格と、実際に購入希望者から問い合わせが入る物件価格との間に生じている大きな乖離だ。東京23区のファミリー向け中古マンションの掲載価格が1億2018万円を記録した一方で、ユーザーから具体的な問い合わせが入ったいわゆる「反響物件」の平均価格は7481万円にとどまっている。
反響価格そのものも前年同月比で17.5パーセント上昇しており、購入者の予算が引き上がっている様子はうかがえる。しかし掲載価格との差額は約4537万円にまで大きく広がっている。中古マンション相場そのものが全体として上昇基調を強めている一方で、購入者が実際に検討できる現実的な価格帯との間には埋めがたい大きな隔たりが存在している。売り手の強気な希望価格の上昇ペースに対して、買い手の予算が完全には追いついていない市場の実態が浮き彫りとなった。
シングル向けや都下の物件にも価格上昇の波
価格の歴史的な上昇が続いているのは、ファミリータイプのマンションだけにとどまらない。ワンルームや1LDKなどの間取りを中心とするシングルタイプの物件でも、東京23区の掲載価格は7292万円に達した。前月比で0.3パーセント、前年同月比で20.6パーセント上昇し、こちらも過去最高値を更新している。これに対し同タイプの反響価格は4060万円となっており、前年同月比で16.1パーセントの上昇を示した。
さらに価格上昇の波は東京23区の枠を超えて、周辺地域にも波及している。東京都下におけるファミリータイプの掲載価格は4192万円となり、前年同月比で23.0パーセントもの高い上昇率を記録した。都心部の価格高騰を背景に、比較的手頃な価格帯を求めて周辺地域へと需要が流れ込み、結果として広範囲で価格が押し上げられている状況が読み取れる。
中古戸建て市場でも反響価格が大幅に上昇
マンション市場とはやや異なる動きを見せているのが中古の一戸建て市場だ。東京23区の中古一戸建てにおける掲載価格は9863万円となった。前月比では0.4パーセント下落してわずかながら落ち着きを見せたものの、前年同月比で見れば依然として15.7パーセントの上昇を維持している。
一方で中古一戸建ての反響価格は6823万円となっており、前月比で20.6パーセント、前年同月比では35.1パーセントという極めて大幅な上昇を記録した。マンションと戸建てで価格変動の波に多少の違いは見られるものの、購入希望者が直面する住宅価格が前年よりもはるかに高い水準にあるという厳しい状況に変わりはない。
なお今回公表されたこれらの数字は、あくまでポータルサイトに掲載された物件と問い合わせが入った物件の価格を集計したものだ。実際の売買契約が成立した成約価格とは異なるため、市場全体の正確な売買価格とは区別して冷静に見る必要がある。新築マンションのみならず中古住宅の市場でもこれほどの価格上昇が続けば、今後の購入者の選択肢を狭め、住宅ローン負担に深刻な影響が及ぶことは避けられない見通しだ。
翻訳・編集 EIICHI JOURNAL


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