コメ5キロが2971円と2年ぶり3000円割れ、5週連続下落で生産者負担が課題に

米 秋田

高騰が続いてきたコメ価格に、大きな変化が出ている。農林水産省が9月18日に公表したデータによると、9月7〜13日に全国のスーパー約1000店舗で販売されたコメの平均価格は、5キロ当たり2971円だった。前週から32円下落し、5週連続の値下がりとなった。3000円を下回るのは2024年9月上旬以来、約2年ぶりだ。

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1月の4416円から1445円下落、家計への負担軽減が鮮明

コメ価格は2024年夏以降、供給不足を背景に急激に上昇した。2026年1月には5キロ当たり4416円まで上昇していた。9月7〜13日の2971円と比較すると、約8カ月で1445円低下したことになる。家計にとっては大きな負担軽減だ。

コメを月10キロ消費する家庭なら、単純計算では1月の価格水準と比較して月約2890円の差となる。年間換算では3万円を超える規模になる。コメはほぼ毎日購入・消費する主食であるため、値下がりを実感しやすい品目でもある。

増産と備蓄米放出で需給緩和、市場全体で下落基調

価格下落の背景には供給量の増加がある。2024年のコメ不足以降、政府は備蓄米を市場へ放出し、生産現場でも増産が進んだ。供給量が増えたことで、スーパーなど小売段階での需給が緩和している。

銘柄米の平均価格は5キロ当たり2988円となり、前週から35円下落した。ブレンド米なども2866円となり、34円値下がりした。一部の商品だけが安くなっているのではなく、コメ市場全体で下落方向の動きが広がっている。8月17〜23日の平均価格は3156円だったため、わずか数週間でさらに185円下がった計算となる。

家計には朗報も外食価格への波及は限定的、コスト高が重荷

コメ価格の低下は、家計の食費を直接押し下げる。総務省が9月18日に発表した8月の消費者物価指数では、総合指数が前年同月比1.9パーセント上昇した。生鮮食品を除く指数は1.7パーセント上昇、生鮮食品とエネルギーを除く指数は1.9パーセント上昇だった。物価上昇率は依然としてプラスだが、コメのように家計への影響が大きい品目が値下がりすれば、生活者の体感物価を和らげる可能性がある。

外食産業にも影響する。飲食店や弁当事業者ではコメが主要原材料となるため、仕入れ価格が下がれば原価負担の軽減につながる。ただし、すぐに外食価格の値下げにつながるとは限らない。人件費や光熱費、物流費など他のコストは高い状態が続いているためだ。

営農継続に危機感、今後は新米流通で秋以降の安定水準が焦点

一方、生産者側では状況が逆転し始めている。簗和生農林水産相は9月18日の就任記者会見で、営農を継続するうえで厳しい価格水準になりつつあるとの認識を示した。肥料、農薬、燃料、農業機械などの価格は以前より高い。コメの販売価格だけが急速に下落すれば、農家の収益を圧迫する。

価格高騰時には消費者負担が問題となったが、今度は価格下落による生産者負担が問題になり始めた。安いコメは消費者にとって歓迎される一方、農家が生産を継続できなくなれば将来の供給不足につながる。コメ市場では「高すぎない」「安すぎない」価格形成が難しい課題となっている。2024年の不足、2025年から2026年初めの高騰を経て、コメ市場は再び転換点を迎えている。今後は新米の流通が本格化するため、秋以降の価格がどこで安定するかが焦点となる。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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