豪雨後に住宅選びで災害リスク確認が急増、千葉県は34.3パーセント増

千葉 豪雨

住宅を選択する際、価格や最寄り駅からの距離だけでなく、災害リスクを事前に確認する動きが急速に強まっている。不動産情報サービスを手がけるライフル(LIFULL)は9月18日、住宅購入検討者によるハザードマップの閲覧動向に関する調査結果を公表した。8月13日に発生した千葉豪雨の前後を比較すると、千葉県内の物件における閲覧者数は34.3パーセント増加した。首都圏の1都3県全体でも19.5パーセント増えている。

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千葉豪雨を境に関心が急上昇、安全確認の意識が高まる

調査対象は、中古マンション、中古一戸建て、新築一戸建ての各物件詳細ページだ。豪雨前の8月7〜13日と、豪雨後の8月14〜20日の閲覧状況を比較分析した。千葉県では豪雨後のハザードマップ閲覧者数が、豪雨前の水準を100と置いた指数で134.3に達した。前年同期のデータと比較しても30.8パーセント多い数値だ。

1都3県全体でも豪雨前後で指数が119.5となり、前年同期比では15.2パーセント増加した。現実に自然災害が発生すると、検討中の住宅が持つ安全性を自ら確かめようとする人が目に見えて増える傾向が、データによって裏付けられた形だ。

物件ごとの緯度経度でリスク判定、精緻な確認が可能に

ライフルホームズは9月8日から、中古マンションおよび中古一戸建てを対象に災害リスクの表示機能を刷新した。各物件の緯度と経度の情報を活用し、洪水や土砂災害の警戒区域と重なっているかを物件単位で判定する。従来よりも一段と細かい位置情報に基づいてリスクを把握できる仕組みだ。

国や自治体が公開するハザードマップは、住宅の購入検討時における不可欠な資料となっている。洪水被害ひとつをとっても、想定される浸水深や河川氾濫の危険度によって建物への影響は大きく異なる。マンションの場合でも、高層階に居住していれば水害の影響を受けないとは限らない。地下や1階部分に電気受変電設備が設置されている場合、浸水によってエレベーターや給水ポンプが停止する恐れがある。

従来の諸条件に安全性という軸が定着、不動産価値への波及も

従来の住宅検索では、価格や専有面積、築年数、駅徒歩分数などが主要な比較基準とされてきた。しかし豪雨や大型台風の頻発を受け、災害リスクの多寡も住宅本来の価値を測る決定的な要素へと浮上している。同じ駅から徒歩10分で同じ70平方メートルの物件であっても、立地環境によって浸水リスクは大きく分かれる。

中古住宅は購入後に立地そのものを変更することはできない。リフォーム工事で室内の設備や仕様を刷新できても、土地固有の自然災害リスクを解消することは基本的に不可能だ。それゆえに購入前の見極めが極めて重要となる。今後は高台など浸水リスクの低い地域が相対的に評価を高める一方、リスクを抱える地域では建物の防災性能がより厳しく問われる。住宅価格が高騰する現代において、「いくらで買えるか」に加えて「どこなら安心して暮らせるか」という視点が定着しつつある。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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