ストラテジーのマイケル・セイラー会長は18日、「絶対にビットコインを売らない」という従来の公式スタンスを修正する発言を行い、市場と投資家コミュニティに大きな波紋を呼んだ。セイラー氏はソーシャルメディアへの投稿および取材を通じて、特定の状況下ではビットコインの売却が資産そのものの価値毀損(きそん)を防ぐための合理的な手段になり得るとのべた。
具体的には、同社が発行する転換社債の償還圧力が臨界点を超えた場合に、ビットコインを売却することで債務を圧縮する選択肢を否定しないという内容だ。セイラー氏はまた、プログラム的なビットコイン売却を財務戦略の一部として組み込む可能性を示唆しており、その資金で自社の転換社債を市場から買い戻す案として検討されていると報じられた。ストラテジーは5月16日、2029年満期の転換社債15億ドル(約2385億円)分を市場から買い戻すと発表しており、財務的なバランス管理への意識が高まっていることが背景にある。
セイラー氏の発言は「絶対にHODL(長期保有)する」という象徴的なスタンスへの修正として、仮想通貨コミュニティで激しい議論を巻き起こした。熱狂的な支持者(ビットコイン・マキシマリスト)の間では失望と困惑の声が上がった一方、機関投資家や金融アナリストの間では「財務の現実に向き合った合理的な判断」として評価する声もある。ストラテジーが保有する84万3738BTCは現在の市場価格で約660億ドル(約10兆4940億円)相当の価値があり、もし大量売却となれば市場への影響は計り知れない。
同社の財務構造についてはかねてから懸念が示されてきた。転換社債の総残高は約40億ドル(約6360億円)超に上り、もしビットコイン価格が大幅に下落して担保価値が毀損した場合、返済能力への疑念が生じるリスクがある。セイラー氏の発言はこうしたリスクを意識した「予防的なコミュニケーション」とも解釈できる。
同氏は同日、STRCの配当を月1回から半月(2週間)ごとに変更することを可能にする定款改正について、個人投資家に委任状投票への参加を呼びかけた。半月払いへの移行は個人投資家の安定収益ニーズに応えるものとして提示されており、STRC株の魅力向上と資金調達の円滑化を目指した措置だ。今後もストラテジーの財務戦略と発言はビットコイン市場のセンチメントに大きな影響を与え続けるとみられる。


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