個人向け国債6月募集、固定5年1.86%に 変動10年は5年半で利子33倍に

国債

初夏の爽やかな風が吹き抜ける2026年6月初旬、資産運用の環境にも大きな変化が訪れている。日本銀行の金融政策の変更に伴い、国内の金利環境は新たなフェーズに突入している。長らく続いた低金利時代が転換点を迎え、投資家はより有利な利回りを求めて動き出している。財務省が発表した2026年6月募集分の個人向け国債は、固定5年が1.86%となるなど、過去最高水準の金利が提示され注目を集めている。今回は、過去5年半で受取利子が約33倍に増加した「変動10年」の具体的な利払い実績や最新の金利データをもとに、金利上昇局面における国債の賢い選び方について解説する。

【固定5年は1.86%、変動10年や固定3年の金利動向】

2026年6月募集分(6月4日から30日)の個人向け国債の発行条件が公表された。今回の募集では、金利上昇局面で注目される「変動10年(第195回)」の初回適用利率が年1.74%(税引前)に設定されている。固定金利型については5年満期が年1.86%、3年満期が年1.51%となっており、いずれも現在の市場金利を反映した水準だ。

【変動10年の利払い実績、5年半で受取利子が約33倍へ】

将来さらに金利が上がる可能性を見込む場合には、半年ごとに適用利率が見直される「変動10年」を選択肢の1つとして検討するのもよいだろう。過去の事例でも、市場金利の上昇に伴って受取利子が増加してきたことが確認できる。例として、2021年6月発行の「第134回債」を100万円分購入していた場合、これまでにどれだけの利子を受け取れているのか、実際の推移をみてみよう。

・1回目の利払い(令和3年12月15日):適用金利0.05%(最低保証) / 受取利子:税引前250円(税引後199円) ・2回目の利払い(令和4年6月15日):適用金利0.07% / 受取利子:税引前350円(税引後278円) ・3回目の利払い(令和4年12月15日):適用金利0.17% / 受取利子:税引前850円(税引後677円) ・4回目の利払い(令和5年6月15日):適用金利0.17% / 受取利子:税引前850円(税引後677円) ・5回目の利払い(令和5年12月15日):適用金利0.28% / 受取利子:税引前1400円(税引後1116円) ・6回目の利払い(令和6年6月15日):適用金利0.60% / 受取利子:税引前3000円(税引後2390円) ・7回目の利払い(令和6年12月15日):適用金利0.57% / 受取利子:税引前2850円(税引後2271円) ・8回目の利払い(令和7年6月15日):適用金利0.65% / 受取利子:税引前3250円(税引後2589円) ・9回目の利払い(令和7年12月15日):適用金利0.84% / 受取利子:税引前4200円(税引後3346円) ・10回目の利払い(令和8年6月15日):適用金利1.10% / 受取利子:税引前5500円(税引後4382円) ・11回目の利払い(令和8年12月15日):適用金利1.67% / 受取利子:税引前8350円(税引後6653円)

11回分の総合計受取利子:税引前3万850円(税引後2万4578円)

2021年6月発行の個人向け国債「変動10年」は、当初の適用金利が最低保証の0.05%(100万円購入時で半年分の利子は税引前250円)にとどまっていた。しかし、その後の市場金利の上昇に伴い直近(2026年12月)の金利は1.67%まで見直され、受取利子は当初の約33倍となる税引前8350円に増加している。これまでの利子累計額は税引前3万850円に達しており、金利上昇局面における変動金利型の商品特性を示す推移だという。

【利子が非課税になる対象者とは】

個人向け国債の利子は原則として課税対象だが、特定の手続きを踏むことで税金がかからない「非課税」として受け取れる場合がある。対象となるのは、主に身体障害者手帳の交付を受けている人や、遺族年金を受給している配偶者などだ。一定額まで利子が非課税となるため、条件に該当する場合は有利に活用できる。詳細は金融機関や税務署で確認するとよい。

【利子の受取時期と計算ルール】

個人向け国債の利子は、年に2回定期的に支払われる。タイミングとしては、原則として「国債が発行された月」と「その6ヶ月後」の15日(過去に発行された一部の変動10年では10日のものもある)と決まっている。もし利払日が土日や祝日といった金融機関の休業日に重なってしまった場合は、休み明けの「翌営業日」に口座へ入金される仕組みだ。

利子の計算方法は、もらう回数によって少し異なる。初回の利子(購入後最初にもらう利子)は、発行日から最初の利払日までの期間が半年間に満たない場合に限り、その日数に応じた日割り計算で支払われる。2回目以降の利子は半年分が計算される。計算式は「額面金額×年利率÷2」だ。ここから所定の税金(マル優などを利用していない場合は20.315%)が差し引かれた金額が、実際の受取額として口座に振り込まれる。

【今後の資産運用の選択肢として】

2026年6月募集の最新金利データをもとに、個人向け国債の魅力や選び方について解説した。市場金利の上昇に伴い、固定5年で1.86%という過去最高水準の金利が提示された今、預貯金に眠らせている資金の預け先として国債は非常に魅力的な選択肢だ。過去5年半で利子が約33倍に増えた「変動10年」の実績が示す通り、金利上昇の恩恵をダイレクトに受けられる仕組みはこれからの時代に心強い味方となる。

さらに条件を満たせばマル優制度を利用して利子を非課税にできる点も、手取り額を確実に増やす賢いアプローチだ。投資は元本割れが怖くて1歩を踏み出せないという人も、国が保証する個人向け国債であれば安心して始められるだろう。大切な資産をただ眠らせておくのはもったいない時代だからこそ、この機会に自分に合った国債のプランを検討してみるのがおすすめだ。まずは身近な金融機関の窓口やホームページで、最新の募集要項を確認することから始めてみてはどうだろうか。

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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