ビットコイン市場は調整の後期段階か、将来期待は充分。

ビットコイン

オンチェーン分析企業グラスノードは6月10日、仮想通貨市場の週間レポートを発表した。現在のビットコイン(BTC)市場は、降伏の深化と需要の枯渇という特徴を持つ、調整の後期段階を示しているという。さらなる下落前の踊り場なのか、真の底値形成なのかを見極める段階にあるとのべた。

市場の割安度を測るAVIVレシオのzスコアはマイナス1.06を記録した。AVIVレシオとは、市場の現物価格とアクティブな投資家の平均取得価格を比較した指標だ。zスコアとは、現在の指標が過去の平均的な水準からどの程度乖離しているかを示すものであり、この数値が0の地点が割安と割高の境目となる。

今回のマイナス1.06という数値は、歴史的な分布において極端に低い価格帯に位置している。こうした割安圏にあるにもかかわらず、価格に目立った反発が見られない。これは市場心理に根強い恐怖があることを示唆すると指摘した。

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短期保有者の95%超が含み損に

短期保有者の供給量のうち、利益が出ている割合はわずか3.3%に過ぎない。95%以上の短期保有者が含み損を抱えている状態だという。また、実現損失の加速を示す指標であるSTH-SOPRのzスコアはマイナス1.86となった。これは短期保有者がビットコインを売却した際の損失状況を示すものだ。深刻な降伏のしきい値とされるマイナス2に迫っている。

損失の確定が加速しているが、持続的な反発に必要なレベルの損失確定にはまだ達していない可能性があるという。一般的に降伏とは、下落や含み損に耐えられなくなった投資家が、損失を確定させて一斉に売りに出る局面のことだ。

クリプトクアントも仮想通貨市場の週間レポートを発表している。同社の分析でも、過去30日間で売り手が計上した損失は過去の弱気市場と比べるとまだ少ない。市場にはまだ意欲的な売り手が残されていることが示唆されるとした。ビットコインは割安圏に近づいているものの、需要が落ち込んでおり強気転換の条件は揃っていない。

デリバティブ市場も慎重姿勢が続く

デリバティブ市場の状況に関しては、6万4000ドル(約1004万円)から7万ドル(約1098万円)の間に集中していたロングポジションが強制清算された。これにより、過剰な投機が市場から一掃されたという。ビットコインの下落を受けて、オプション市場が織り込んでいる将来の価格変動予想を示すインプライド・ボラティリティは大幅に上昇した。

また、トレーダーが価格変動リスクに備えて支払うボラティリティ・リスク・プレミアムは依然として高水準だ。オプション市場で売る権利と買う権利の価格差を示すスキューが急上昇した。トレーダーが下落リスクへの備えとしてプットオプションに高いプレミアムを支払っており、ヘッジ需要が大幅に高まっていることを示すとのべた。

総合的に見ると、市場は降伏局面へとさらに移行しているように見えるという。マクロ経済環境の面からは、ビットコインが持続的に回復するための条件を挙げた。米ドル指数が99を下回るか、10年債利回りが4.2%程度まで低下する必要があるだろうと推論している。

将来への期待値は依然として充分に存在

企業動向についても注目が集まっている。ストラテジーの最高経営責任者(CEO)は11日の独占インタビューで、5月末に実施した32BTCの売却について説明した。売却の狙いとして、市場への機能確認や税務対策、投資家向けシグナルの3点を挙げた。

同社は6月1日から7日にかけて1550BTCを追加で購入している。これにより、今後も純購入者の立場を維持していく方針だ。

現在の市場は降伏の兆しが見え、需要が縮小する厳しい我慢の時期を迎えている。しかしながら、データが示す通り価格は歴史的な割安圏に位置しているのも事実だ。大口投資家が買い増しを続けるなど、ビットコインの今後の反発や中長期的な成長に対する期待値はまだ充分にあるといえる。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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