内閣府が8日に公表した2026年1〜3月期の実質国内総生産(GDP)2次速報値は、前期比0.5%増、年率換算で1.8%増となった。トランプ関税の影響で落ち込んでいた輸出が持ち直し、個人消費などの内需が増加したことが成長を力強くけん引した。5月に公表された1次速報値の前期比0.5%増とほぼ変わらない結果だ。これで2四半期連続のプラス成長となり、2026年に入っても緩やかな景気回復が続いていることが改めて確認された。
中東情勢の緊迫化が景気の重石に
続く4〜6月期の動向についても、政府による原油備蓄の放出や石油元売り企業への補助金などが支えとなり、国内景気はプラス成長を維持する見通しだ。ただし、イラン情勢の緊迫化による悪影響が徐々に実体経済へ表面化し、全体の減速感が強まることは避けられないという。
個人消費は春闘での好調な賃上げや政府の物価高対策が下支えになる一方で、先行き不安による消費者マインドの悪化が下押し要因となる恐れがある。企業の設備投資も堅調な投資意欲に支えられて持ち直しが続く見込みだが、エネルギー価格の上昇によるコスト増が足かせとなる。輸出に関しても、世界的なAI関連需要の堅調さが支えとなる半面、中東向けの停滞や部材不足により下振れるリスクを抱えている。
迫る戦後最長の景気拡張と残る懸念
もっとも、米国とイランの交渉が続く中で地政学的な緊張状態は徐々に緩和されつつある。年度下期にかけてホルムズ海峡の通航が正常化に向かえば、原油やナフサの供給制約に対する不安も和らぎ、エネルギー価格は次第に落ち着きを取り戻すだろう。こうした前提のもと、景気の腰折れはなんとか回避され、2026年度の実質GDPは前年比0.6%増とプラス成長が続くと見込まれる。
このまま順調な経済推移が続けば、2026年7月には戦後最長となる景気拡張期間の記録を更新する予定だ。しかし経済への下振れリスクは依然として大きいままだ。ホルムズ海峡の封鎖が長引けば、原油高が高止まりして個人消費や企業投資が伸び悩み、供給制約の問題が一段と深刻化する恐れがある。さらに中国による戦略物資の輸出規制の本格化や、米国中間選挙に向けた通商摩擦の激化といった不安材料も残っている。
食料品の消費減税と人手不足の壁
高市政権が打ち出す経済政策の行方にも注目が集まる。2027年度から2年間の期限付きで、食料品に対する消費税率を1%とする異例の減税措置が実施される見通しだ。各種の物価高対策は一時的に民間需要を大きく押し上げ、防衛予算の前倒し執行は公共投資を増やすなど一定の経済効果が期待できる。
しかし、危機管理投資や成長分野への投資現場では深刻な人手不足が強力なボトルネックとして意識されており、実際の政策効果は限定的にとどまる可能性が指摘されている。積極的な財政政策の裏で進行する財政悪化懸念や、急激な円安といった副作用のリスクにも引き続き十分な警戒が必要だ。
翻訳・編集 EIICHI JOURNAL


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