首都圏のアパート家賃が全面積帯で最高値を更新

都心 ビル群

不動産情報サービスのアットホーム(東京・大田)は今日、5月の賃貸アパート平均募集家賃に関する最新の調査結果を発表した。首都圏を構成する1都3県において、全てのエリアおよび面積帯で過去最高値を更新している。マンションの家賃高騰を背景として、相対的に割安感のあるアパートへの需要が大きく膨らんだことが主な要因だ。

同社が運営する不動産情報サイトに登録および公開された物件を対象にして、広範な調査を実施している。全ての面積帯での最高値更新という事態は、2015年1月の調査開始以降で初めてだという。なお、発表された家賃には管理費や共益費などが含まれる。

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割安感からアパート需要が急増

5月の単身向けアパートの家賃動向を詳しく見ると、各地で上昇傾向が顕著だ。専有面積30平方メートル以下の物件において、東京23区は前月比1.3%高となる75611円となった。神奈川県は2.6%高の61725円、埼玉県は3.9%高の61999円を記録している。千葉県についても3.2%高の61000円に達しており、いずれの地域でも過去最高値を塗り替えた。

単身向け物件だけでなく、他の面積帯でも家賃の上昇が続く。30平方メートル超から50平方メートル以下となるカップル向け物件も、全エリアで過去最高を記録した。50平方メートル超から70平方メートル以下のファミリー向け物件に関しても同様の結果だ。マンションの家賃が急騰する市場環境のなかで、少しでも割安なアパートを求める消費者の動きが一段と強まっている。

マンションとの価格差が鮮明に

同じ予算を用意して物件を探した場合、アパートを選択するほうがより広い部屋に住むことが可能だ。一般的にアパートは2階建て以下の建築物で、軽量鉄骨造または木造の物件を指すことが多い。一方でマンションは3階建て以上の建築物で、鉄筋コンクリート造の物件を指すのが通例だ。両者の基本的な構造や導入されている設備のちがいが、そのまま家賃の価格差に直結している。

単身向けマンションにおける5月の家賃は、東京23区で0.5%高の113180円となった。神奈川県は1.9%高の80286円、埼玉県も同じく1.9%高の69332円だ。千葉県のみ0.6%安の75833円と、わずかに値を下げている。最も大きな価格差が生じている東京23区のデータでは、アパートの家賃がマンションを約3割も下回る水準だ。

需給逼迫とナフサ不足の影響

春の引っ越し繁忙期を過ぎた現在の時期でも、賃貸住宅に対する需要は堅調に推移している。企業の研修期間を終えた新社会人などが、引き続き希望条件に合う住まい探しを行っているためだ。くわえて引っ越し業者に支払う費用自体が上昇していることから、無理な住み替えを見合わせる動きも出ている。こうした複数の要因が重なり合った結果、賃貸市場の需給は非常に引き締まった状態だ。

家賃動向の詳細な分析を手がけるアットホームラボ(東京・千代田)の磐前淳子氏は「近ごろはナフサ不足の影響も聞かれるようになった」と語った。資材不足によって壁紙の張り替えなど、入居前に必要な準備作業に遅れが生じているという。その直接的な結果として、需要があるにもかかわらず空室のまま貸し出すことができない物件が発生しているとの見方をしめした。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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