首都圏の新築マンション販売が減速、金利上昇と価格高騰が重荷に

購入 断念

首都圏における新築マンションの販売ペースが減速している。不動産助言会社のトータルブレインがまとめた調査で明らかになった。2025年11月から26年6月に発売された新築物件のうち、販売状況が好調と評価された割合は29%にとどまった。これは前年同期を9ポイント下回る水準だ。住宅ローン金利の上昇や物件価格の高騰を背景に、購入希望者の慎重な姿勢が強まっている。

同社は首都圏で第1期1次の販売を開始した新築マンション229件を対象に調査を実施し、194件から回答を得た。物件ごとの売れ行きを好調、まずまず、苦戦の3段階で評価している。第1期1次販売は顧客の反応を踏まえた価格戦略を練る上で、物件の市場評価を測る重要な指標となる。首都圏全体では好調が29%に低下した一方、まずまずが48%と約半数を占め、苦戦は22%で横ばいだった。

販売の鈍化がとりわけ目立つのは東京23区だ。好調の割合は33%となり、前年同期の49%から16ポイントも大きく下落した。まずまずが53%と過半数を占める一方で、苦戦は14%と前年から2倍以上に増加している。

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超高額物件と実需向けは堅調を維持

苦戦が顕著なのは、港区や千代田区など超都心に位置する単身向け物件だ。コンパクトな間取りであっても価格が1億円を超過するケースが増えている。トータルブレインは「単身では購入予算が厳しく、狭い部屋は富裕層や投資家のニーズも小さい」と分析している。23区外の都内はさらに厳しく、好調は18%に急減し、苦戦が41%へと拡大した。

全体的に苦戦が目立つなかでも、都心の超高額物件に対する需要は依然として高い。好調な物件の代表例として、三井不動産レジデンシャルなどが再開発で手がけるパークコート麻布十番東京ザタワー ノース サウスが挙げられる。全1342戸を誇る大規模タワーマンションであり、29年から30年にかけて入居が始まる予定だ。

同物件が6月に発売した第1期1次の341戸は、価格が2億6000万から30億円に設定された。平均坪単価は約2000万円に達している。三井不動産は「国内の経営者や会社員、地方富裕層のセカンドハウスまで幅広い層に及ぶ」とだという。立地の良さに加え、予約困難な飲食店を誘致するスカイラウンジなどの充実した共用サービスが支持を集めた。

また中野区や世田谷区、品川区など、実需を対象としたエリアでも好調な物件が見られる。主要駅から徒歩10分圏内にあり、共働き世帯でも手が届きやすい平均1億3000万円以下のマンションが売れ筋となっている。

近郊エリアで分かれる明暗と今後の見通し

東京近郊のベッドタウンでは、地域によって販売状況の明暗がくっきりと分かれている。埼玉県では好調が19%にとどまる一方、苦戦が48%を占めた。郊外や駅から遠い物件は価格の高騰に需要が追いついていない状況だ。神奈川県は好調が30%となり、東京へのアクセスに優れる川崎市内の物件が堅調な動きを見せた。

一方で神奈川県内でも相模原市では販売が振るわず、値下げ物件が目立っている。リニア中央新幹線の新駅開業を見込んで土地の仕入れが集中したが、開業時期の遅れが影響した。千葉県は好調が40%を記録し、海浜幕張や船橋市、浦安市など東京への通勤に便利なエリアの物件が人気を集めている。

建築費の高騰でデベロッパーの事業収支に余裕がなく、価格調整できずに予算とミスマッチが起きている。

不動産経済研究所のデータによると、26年1月から6月における首都圏新築マンションの平均価格は1億135万円に達した。前年同期比で13%増加し、半期として初めて1億円を突破している。これまで市場を牽引してきた都心部でも、価格と立地のバランスをシビアに見極める動きが進む。建築費の高騰を販売価格に転嫁し続ける戦略は、大きな転換期を迎えているようだ。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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