経済協力開発機構(OECD)が2026年9月8日に公表した2025年の学習到達度調査(PISA)によると、日本の15歳は数学・科学・読解力の全3分野で世界トップレベルの学力を維持した一方、学習に対する好奇心や主体性の低さが課題として浮き彫りになりました。
目次
PISA2025における日本の成績
日本の全参加国・地域中の順位および得点の動向は以下の通りです。なお、OECD加盟国中では初めて3科目全てで首位となりました。
- 科学的応用力: 5位(前回2022年調査は2位、平均得点に有意な変化なし)
- 数学的応用力: 5位(前回5位、平均得点に有意な変化なし)
- 読解力: 4位(前回3位、平均得点は前回から有意に低下)
浮き彫りになった「知的好奇心・主体性」の課題
高水準の学力とは対照的に、生徒に対する質問調査では学習意欲に関する各項目がOECD平均を大きく下回る結果となりました。
- 「物事の仕組みを知ることが好き」と肯定的に回答した生徒は59%(OECD平均74%)。
- 「好奇心が強い」「新しいことを学ぶのが好き」といった項目や、学習を自律的に進める力(勉強が進まない時の取り組み方の変更など)も平均未満。
- 今回の重点分野である科学においても、「科学を学ぶことに興味がある」が55%、「科学の問題を解いている時は楽しい」が49%にとどまりました。
今後の対策と有識者の見解
- 教育現場の工夫: 日本大学の野内頼一教授は、教員がすぐに答えを教えるのではなく、実験のやり直し等を通じて思考を深める時間を設けることで探究心を伸ばす必要性を指摘しています。
- 文部科学省の方針: 2030年度以降に順次導入される次期学習指導要領において、教員の個別指導や授業研究の時間を確保し、基礎学力と意欲の双方を伸ばす新制度を始める方針です。
- 識者の分析(日本経済新聞 編集委員・青木慎一氏): OECD加盟国全体の平均得点が下がり続けている背景について、スマートフォンの利用やショート動画の連続視聴が認知能力の低下や学習時間の減少を招いている可能性を指摘し、スマホの悪影響を直視すべき時期に来ていると考察しています。
翻訳・編集 EIICHI JOURNAL


コメント