日銀が政策金利を1.25パーセントへ引き上げ、31年ぶりの高水準

日本 悩む男性

日本の金融政策が歴史的な転換点を迎えている。日本銀行は9月18日に開催した金融政策決定会合において、政策金利を従来の1.00パーセント程度から1.25パーセント程度へ引き上げることを決定した。この政策金利の水準は1995年以来、約31年ぶりとなる。長らく金利のない経済に慣れきっていた日本経済にとって、極めて大きな変化の第一歩となる。

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わずか3カ月での追加利上げ、インフレ再加速を警戒

日銀は今年6月にも政策金利の引き上げを実施している。今回はそこからわずか3カ月という短い間隔で追加利上げに踏み切った。金融政策の正常化に向けた速度が明らかに上がっている。その背景にあるのは根強い物価上昇の圧力だ。総務省が発表した8月の全国消費者物価指数は、総合指数で前年同月比1.9パーセントの上昇となった。

表面的な物価上昇率は日銀が目標とする2パーセント付近まで落ち着いてきている。しかし継続する円安やエネルギー価格の高騰によって、再び物価が上振れするリスクがくすぶっている。日銀は物価が本格的に上がってから後手で対応するのではなく、インフレの再加速を未然に防ぐ方向へと政策の軸足を移しつつある。

利上げ決定でも円安が進行、日米金利差は依然大きく

通常であれば金利を引き上げるとその国の通貨は買われやすくなる。しかし9月18日の外国為替市場ではセオリーとは逆の反応が起きた。日銀の利上げ発表前に1ドル156円前後で推移していた円相場は、発表直後に157円台まで下落した。市場参加者が今回の利上げをすでに織り込んでいたことが大きな要因だ。

さらに日銀が今後の追加利上げについて明確な道筋を示さなかったことで、円を買い進める動きが続かなかった。米国では連邦準備理事会が政策金利を3.75から4.00パーセントへ引き上げている。日本が1.25パーセントへ利上げしたとはいえ、日米の金利差は依然として大きい。低金利の円を売って高金利通貨を買う取引が継続しやすい環境は変わっていない。

デフレ脱却からインフレ抑制へ、住宅ローンにも波及

今回の利上げは単なる数字の変更以上の意味を持つ。日本の金融政策の前提が、デフレからの脱却からインフレの抑制へと明確に切り替わったのだ。家計にとって最も直接的な影響が及ぶのは住宅ローン金利だ。政策金利が上昇すれば、銀行の短期プライムレートなどを通じて変動型住宅ローンの金利にも上昇圧力がかかる。

住宅価格が高止まりするなかで借入金利まで上昇すれば、購入者の返済負担は大きく跳ね上がる。一方で預金者にとっては、普通預金や定期預金の金利が引き上げられることで受け取れる利息が増えるメリットがある。企業にとっては資金調達コストの増加が利益を圧迫する要因となる。日銀が今後さらに金利を引き上げるのかどうか、経済全体への波及効果が注視される。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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