家計の株式・投信残高が500兆円を突破、新NISA普及で「貯蓄から投資へ」加速

NISA
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10年間で保有額が倍増

日本の家計が保有する金融資産の構成が大きく変化している。政府が長年推進してきた「貯蓄から投資へ」という方針が、いよいよ現実のものとなりつつあるようだ。家計が保有する株式や投資信託の残高は、この10年間で倍増し、合計で500兆円を超える規模に達した。

日本銀行が発表した資金循環統計によると、2025年末時点での家計による株式などの保有額は342兆円となった。さらに投資信託の保有額は165兆円にのぼっている。10年前となる2015年末の時点では、両者を合わせても計258兆円にとどまっていた。

この大幅な増加の背景には、好調な金融市場の動向がある。これに加えて、少額投資非課税制度(NISA)の抜本的な拡充が、家計の資金を投資へと向かわせる強力な推進力となった。国民の間に資産運用が一般的なものとして広がり始め、国内の投資環境はかつてないほどの様変わりを見せている。

投資ブームを牽引する新NISA

家計の投資意欲を後押しした最大の要因は、2014年にスタートしたNISAの存在だ。導入当初から非課税メリットが注目されていたが、2024年には制度が大幅に刷新された。非課税で保有できる限度額が大幅に引き上げられ、新NISAとして社会的な話題を集めた経緯がある。

この制度拡充により、これまで投資に消極的だった層も金融市場に目を向けるようになった。特に若い世代の間で、将来に向けた資産形成の手段として投資が一般化しつつある。少額からでも始めやすく、運用益が非課税になるという制度の利点が、幅広い年代の生活防衛意識と合致した形だ。

専門家に運用を任せることができる投資信託は、手軽な投資商品として特に人気を集めている。初心者の資金も大量に流入しており、純資産額が10兆円規模に達する「メガ投信」とよばれる巨大なファンドも市場に出始めた。こうした資産運用ブームは、個人の資産形成にとどまらず、日本経済全体にも新たな資金循環を生み出す可能性を秘めている。

手数料革命と投資信託の進化

投資資金の流入急増に伴い、提供される投資商品そのものも大きく変化した。かつての投資信託市場では、運用管理にかかる信託報酬が1%を超える商品が当たり前のように販売されていた。しかし現在では、コストに対する投資家の目が厳しくなっている。

この流れを決定づけたのが、三菱UFJ国際投信(現在の三菱UFJアセットマネジメント)の動向だ。同社は2017年に新たな投資信託である「イーマクシス・スリム」シリーズを発売した。業界最低水準の運用コストを目指し続けるという明確な方針を掲げ、日本の投資信託市場に価格破壊をもたらした。

同シリーズは信託報酬の料率を0.2%前後という極めて低い水準に引き下げた。こうした低コストファンドの台頭は、長期間にわたって運用を続ける家計にとって大きなメリットとなる。手数料引き下げ競争は業界全体に波及しており、投資家にとってより有利な環境が整いつつある。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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