住宅ローン「フラット35」利用者調査 世帯年収が初の700万円台に

フラット35
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若年層の利用拡大と単価の上昇

独立行政法人住宅金融支援機構は今日、2025年度の「フラット35利用者調査」の結果を発表した。2025年4月から2026年3月までに機構が買い取りや付保を承認した案件を集計している。借換えを除く3万5553件を対象に、利用者の年齢層や世帯年収の推移などを分析した。

利用者の平均年齢は43.3歳となり、前年度から1.2歳低下した。とくに30歳代以下の割合が増加傾向にある。年齢別の構成比を見ると、30歳未満が12.1%、30歳代が33.0%を占める。若年層が住宅取得に積極的な姿勢を見せているのだ。

一方で住宅の取得に必要な所要資金はすべての区分で上昇した。新築マンションの所要資金は5882万円となり、前年度から290万円も値上がりしている。その他の区分でも資金負担は増しており、土地付注文住宅は5313万円、建売住宅は4215万円となった。

5800万円台で首都圏の新築は買えるのか

平均所要資金の5882万円という予算で、首都圏の新築マンションを探すのは極めて困難な状況だ。東京や神奈川、埼玉、千葉において、この価格帯でファミリー向けの物件を購入しようとすれば、都心から遠く離れた郊外エリアを選択せざるを得ないのが実態だという。

都心部や利便性が高い地域では、価格の乖離がとくに著しい。東京23区内や横浜市などの中心部で新築物件を探す場合、ファミリー向けの間取りであれば7000万円から8000万円を超えるのが現在の相場だ。5882万円でおさめるには、専有面積を大幅に削るしかない。

広い間取りを求める場合、通勤圏とは言いがたい立地まで条件を妥協する必要に迫られている。不動産仲介の現場でも、価格設定と顧客の予算との間で厳しい調整が続いている。購入希望者は厳しい現実を突きつけられており、予算内で妥協できる点を探る作業が不可欠となっている。

世帯年収の増加と強まる負担感

こうした価格上昇を背景に、利用者の平均世帯年収も大きく伸びている。2021年度以降は増加傾向が続いており、今回は716万円を記録した。前年度から47万円の増加となり、2015年度以降で初めて700万円の大台を突破した。

これまで全体の過半数を占めていた年収600万円未満の層は、ついに5割を下回る結果となった。住宅価格の高騰に対応するため、より所得の高い層が購入の中心になりつつある。購入資金を世帯年収で割った「年収倍率」のデータからも負担感が高まっていることがわかる。

年収倍率は全区分で前年度から横ばい、もしくは上昇の傾向を示した。とくに土地付注文住宅の年収倍率が7.8倍と最も高い水準だ。次いで新築マンションが7.5倍と続く。収入に対してより多くの資金を借り入れる必要が生じており、購入者の資金計画に大きな影響を与えそうだ。

中古住宅市場へのシフトが鮮明に

取得する住宅の種類にも変化の兆しがある。融資区分別の割合を見ると、既存戸建てと既存マンションを合わせた中古住宅のシェアが35.9%に達した。前年度から1.1ポイント増加しており、新築価格の高騰が中古市場への関心を一段と高めている。

一方で注文住宅の割合は32.7%となり、前年度から2.2ポイント減少した。建売住宅は23.5%、新築マンションは7.9%と微増している。土地から購入して家を建てる注文住宅へのハードルが価格面から高くなっている状況だ。

住宅市場全体で価格の上昇圧力が続くなか、利用者の行動は多様化している。若年層の参入や中古物件へのシフトなど、限られた予算内で最適な選択を模索する動きが顕著だ。同機構の調査結果は、現代の厳しい住宅事情とそれに立ち向かう消費者の姿を浮き彫りにしている。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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