カナダ投資ファンドが国内マンションを1000億円超で一括購入、住宅市場へ本格参入

国内の住宅市場に海外投資マネーの流入が続いている。カナダの有力投資ファンド、ブルックフィールドは日本の4大都市圏にある賃貸マンションを一括購入した。購入額は1000億円を超えるとみられる。インフレ経済下における根強い住宅需要を見込んだ動きだ。

目次

外資マネーの住宅市場への本格参入

同社はインフラや不動産投資で世界有数の規模を誇る。これまでは東京のオフィスビルなどに投資してきたが、日本の住宅市場への参入は今回が初となる。日本市場に対して今後数年間で100億ドル(約1兆4500億円)以上を投じる計画だ。

今回買い取ったのは首都圏や大阪圏などの50棟、計3700戸だ。不動産開発のサムティが手がけた高級マンションシリーズなどが含まれる。主に単身者向けの賃貸物件で、交通アクセスの良い都心部において平均築年数は4年未満だという。一般的な不動産投資よりも高い利回りが見込めるとしている。

家賃の上昇とファンドの旺盛な投資意欲

単身者向けの物件は家賃の上昇が続いている。不動産情報サービスのアットホームによると、6月の東京23区における平均家賃は11万4242円だった。前年同月から12.4%上昇し、25カ月連続で最高値を更新している。福岡市では15.9%とさらに上昇率が大きく、ファミリー向け物件も2桁の伸びだ。

ファンド勢による住宅投資は非常に旺盛だ。不動産サービス大手のシービーアールイーによると、1度の取引で1000億円を超える案件は国内で過去に4件しかない。過去最大は2020年に米投資ファンドのブラックストーンが実施した3000億円規模の賃貸マンション一括購入だ。米ウォーバーグ・ピンカスも2025年に都心近郊のシェアハウス群を一括取得している。

同社は2025年の国内住宅投資額が前年比86%増の約9800億円だったと明らかにした。データを遡れる2005年以降で最大の規模となる。2026年1月から6月も約3800億円と高い水準を保っている。円安を背景に流入した海外マネーが需要を牽引し、日本人の所得の伸びを上回る勢いで値上がりが進んだ。

高騰する不動産価格と今後の見通し

一方で価格上昇には息切れ感も出始めている。不動産調査会社の東京カンテイによると、6月の東京23区における中古マンションの平均希望売り出し価格は70平方メートルあたり1億2741万円だった。前月比で0.8%低下し、26カ月ぶりのマイナスとなった。

しかし都市部の優良物件に対するファンド勢の投資意欲は衰えていない。外資マネーの継続的な流入は不動産価格の急落リスクを低下させ、さらなる資金を呼び込む構図を生み出している。世界的な人工知能ブームを背景とした株高も、投資の追い風になっているという。

ライフルホームズ総合研究所の中山登志朗氏は「賃貸住宅へのインバウンド進出としては過去にない大規模なものだ」と指摘した。外資による不動産買収はこれまでホテルや物流施設などが中心だった。中山氏は「バルクで6億ドル(約870億円)もの資金流入は市場に与えるインパクトが大きい」と分析している。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

コメント

コメントする

目次