家賃の安さや交通アクセスの良さだけで、住む場所を選んでいませんか?
近年、大規模な地震や記録的な豪雨による水害が頻発しており、住まいの「災害リスク」への関心はかつてないほど高まっています。
実は、同じ東京23区内でも「地震に弱いエリア」と「水害に弱いエリア」は大きく異なります。今回は、東京都の公的データや各区のハザードマップをもとに、「地震・火災」「水害」「液状化」の3つの視点から、23区のハザードリスクをランキング形式で解説します。
便利さ、賃料、アクセスなどは考慮に入れていませんのでランキングは参考までに。
1. 地震・火災リスク ワーストランキング(建物倒壊・延焼)
東京都都市整備局が約5年ごとに実施している「地震に関する地域危険度測定調査」では、都内の市街化区域(約5,100町丁目)の「建物倒壊危険度」と「火災危険度」から「総合危険度」を算出しています。
町丁目ごとの順位をもとに、区全体の平均的な危険度が高い「ワースト区」を見てみましょう。
| 順位 | 区名 | 危険度を押し上げている主な要因 |
| ワースト1位 | 荒川区 | 木造住宅の密集度が高く、狭い道路が多い |
| ワースト2位 | 台東区 | 古い建物が多く、延焼リスクを遮断する広い道路が不足 |
| ワースト3位 | 墨田区 | 地盤が軟弱で揺れが大きくなりやすく、木造家屋が密集 |
⚠️ リスクの傾向:下町の「木密(もくみつ)地域」に要注意
地震による倒壊や火災の危険性が高いのは、いわゆる「木造住宅密集地域」です。荒川区、台東区、墨田区、足立区などの下町エリアは、古い木造住宅が隙間なく建ち並び、消防車が入り込めない狭い路地が多いため、ひとたび火災が起きると大規模な延焼に繋がる恐れがあります。
【対策】
このエリアに住む場合は、新耐震基準(1981年以降、できれば2000年以降)の物件を選ぶことや、大通りや広い公園(広域避難場所)の近くを選ぶことが重要です。
2. 水害リスク ワーストランキング(洪水・高潮)
近年、台風やゲリラ豪雨によって脅威を増しているのが水害です。荒川や江戸川といった巨大な河川が氾濫した場合、壊滅的な被害を受けると想定されているのが、東部エリアの「江東5区」です。
| 順位 | 区名 | 想定される水害リスクの規模 |
| ワースト1位 | 江戸川区 | 区内の約7割が海抜ゼロメートル地帯。最大10m以上の浸水想定エリアも |
| ワースト2位 | 葛飾区 | 四方を川に囲まれ、大規模水害時には区の大部分が水没する想定 |
| ワースト3位 | 足立区 | 荒川が氾濫した場合、区の広い範囲で深い浸水が2週間以上続く恐れ |
⚠️ リスクの傾向:広域避難が必要な「ゼロメートル地帯」
江戸川区のハザードマップ表紙に「ここにいてはダメです」と強烈なメッセージが記載され話題になったように、江東5区(江戸川区、葛飾区、足立区、墨田区、江東区)は海面より低いゼロメートル地帯が広がっています。万が一、荒川や江戸川の堤防が決壊した場合、建物の2階・3階部分まで水没し、水が引くまでに数週間かかるエリアも存在します。
【対策】
水害リスクが高いエリアに住む場合は、マンションの3階以上を選ぶか、台風接近時などに「区外(西側の台地など)へ早期避難」する計画を事前に立てておくことが命を守る鍵になります。
3. 液状化・地盤リスク
大きな地震が起きた際、地盤がドロドロになり建物が傾いたり、マンホールが隆起したりする「液状化現象」。東日本大震災の際にも大きな被害をもたらしました。
- 液状化リスクが高い主な区: 江東区、江戸川区、大田区(湾岸部)、中央区・港区の一部
- リスクの傾向: 海や河口を埋め立てて作られた湾岸エリアや、川沿いの沖積低地にリスクが集中しています。液状化は直接命に関わることは少ないものの、水道管などのインフラが破壊され、長期間の断水やトイレが使えなくなるなど、深刻な生活へのダメージをもたらします。
まとめ:安全なエリアはどこ?
今回はワーストランキングという形でリスクをお伝えしましたが、逆に災害リスクが比較的低い(地盤が固く、標高が高い)のはどのエリアでしょうか。
武蔵野台地の上に位置する練馬区、杉並区、世田谷区などの城西エリアや、千代田区、文京区、新宿区などの高台エリアは、地盤が強固で水害リスクも低く、比較的安全とされています(ただし、川沿いの低地や局地的な内水氾濫には注意が必要です)。
「絶対に安全な場所」は存在しません。
ご自身のライフスタイルや予算と相談しながら、引越しの前には必ず自治体が発行している「ハザードマップ(地震・洪水・内水・高潮)」を確認し、リスクを納得した上で物件を選ぶようにしましょう。


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