東京23区中古マンション、㎡単価76カ月ぶり下落 成約2割減、在庫増で市場に変化

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東京23区の中古マンション市場に、これまでとは異なる動きが表れ始めている。

東日本不動産流通機構が10日に公表した2026年8月の市場動向によると、東京都区部の中古マンション成約㎡単価は132.69万円だった。

前年同月比0.3%下落し、2020年4月以来76カ月ぶりに前年を下回った。前月比でも2.3%の下落となった。

下落幅そのものは小さい。

しかし、6年以上にわたって続いた前年同月比での上昇が途切れたことは、東京の中古マンション市場を見るうえで大きな変化だ。

目次

首都圏全体でも価格と㎡単価が4カ月連続下落

首都圏全体でも中古マンション市場には弱さがみられる。

8月の成約㎡単価は81.60万円となり、前年同月比3.8%下落した。

成約価格は5129万円で、前年同月比2.8%下落した。㎡単価と成約価格はいずれも4カ月連続で前年を下回った。

前月比でも㎡単価は3.1%、成約価格は2.6%下落している。

一方、平均専有面積は62.85㎡となり、前年同月比1.0%拡大した。

つまり、単純に小さな住戸が多く売れたため平均価格が下がったとは言い切れない。

中古マンション価格そのものに、これまでとは異なる動きが出ている可能性がある。

東京23区の成約件数は20.6%減

価格以上に目立つのが取引件数の減少だ。

首都圏の中古マンション成約件数は3180件だった。

前年同月比10.5%減となり、5カ月連続で前年同月を下回った。

東京都区部では1265件となり、前年同月比20.6%減少した。

東京23区の成約件数は8カ月連続で前年を下回っており、8月は減少幅が2割を超えた。

価格が急落しているわけではないが、「高くても売れる」状態から変化しつつあることを示す数字だ。

購入希望者が価格や住宅ローン負担を慎重に見極める局面に入れば、売却までの期間も長くなる可能性がある。

在庫は4万8235件、売り物件は増加

市場に出ている物件数も増えている。

首都圏の中古マンション在庫件数は4万8235件となった。

前年同月比8.2%増で、成約件数が減る一方、販売中の物件は積み上がっている。

新規登録物件も増加しており、買い手にとっては比較できる物件が以前より多くなっている。

売り手から見れば競合物件が増えるため、価格設定や物件状態の重要性が高まる。

これまでのように周辺相場より高い価格で売り出しても、購入者から選ばれにくくなる可能性がある。

中古住宅市場では「いくらで売り出しているか」より、「いくらで実際に成約したか」を見る必要性が一段と高まっている。

地域によって価格動向に差

首都圏すべての地域で価格が下落しているわけではない。

横浜・川崎市の成約㎡単価は65.95万円で、前年同月比0.5%下落した。

一方、多摩は59.90万円で9.1%上昇した。

神奈川県の横浜・川崎市以外は45.07万円で9.0%上昇した。埼玉県は44.35万円で2.0%上昇、千葉県は41.68万円で5.1%上昇している。

都心や横浜・川崎など価格水準の高い地域で弱さが出る一方、周辺地域では上昇が続いている。

住宅価格の高騰によって、購入者が予算に合わせてエリアを広げている可能性も考えられる。

中古戸建ては価格上昇

中古マンションとは対照的に、中古戸建て市場は比較的堅調だった。

首都圏の中古戸建て成約件数は1641件となり、前年同月比1.9%増えた。

平均成約価格も3960万円で1.7%上昇した。

東京都区部の中古戸建て成約価格は7815万円となり、前年同月比4.4%上昇した。

多摩も3775万円で5.0%上昇している。

マンション価格が上昇し続けたことで、戸建てを比較対象として検討する購入者が増える可能性もある。

同じ予算で専有面積や部屋数を確保しやすい戸建てが、改めて選択肢となる局面も考えられる。

本格的な下落局面かは今後を確認

ただし、8月の数字だけで東京23区の中古マンション市場が本格的な下落局面に入ったと判断するのは早い。

東京23区では新築マンション価格や建築費、土地価格が高い水準にあり、中古マンション価格を支える要因も残っている。

一方、成約件数の減少と在庫増加が今後も続けば、市場の需給関係は買い手側に傾きやすくなる。

特に注目されるのは、秋以降の成約㎡単価と成約件数だ。

76カ月続いた上昇が一時的に途切れただけなのか。それとも東京の中古マンション市場が新しい局面へ入ったのか。

今後数カ月のデータが、その方向性を判断する重要な材料となる。

翻訳・編集 EIICHI JOURNAL

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この記事を書いた人

斎藤亮二は、EIICHI JOURNALで経済分野・不動産の記事執筆を担当するライター。不動産関連資格を有し、不動産売買、投資、市場動向に関する豊富な知識を持つ。横浜市出身。不動産ジャンルを得意としながら、株式や仮想通貨にも精通しており、幅広い市場ニュースを分かりやすく発信している。

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